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地震予知依存に警鐘〜元観測センター長出版
2006年01月25日
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「最新地震がよ〜くわかる本」 |
東海地震など大震災発生の危険性が指摘される中、元北海道大学地震火山研究観測センター長の島村英紀・武蔵野学院大学特任教授(64)が、地震について分かりやすく解説した本「最新 地震がよ〜くわかる本」(秀和システム、四六判304ページ、税別1400円)=写真=を出版した。島村教授は同書で、地震予知の難しさを率直に述べ、「地震について正しく知ることが、被害軽減に役立つ」と呼びかけている。(久土地亮)
今年は、東海地震の危険性が唱えられてから30年になる。東海地震は、気象庁が各地の地中に設置した「体積歪(ひずみ)計」で異常が観測された際に、危険度が小さいものから順に、「観測情報」「注意情報」「予知情報」が出される。その上で、首相が警戒宣言を出す仕組みだ。
島村教授は、地震予知の可能性について、何度か皿を落とした時の割れ方が毎回違うことを例に挙げて、「物が壊れることはとても複雑な現象で、予測は難しい。地下で力が蓄えられていて、やがて大地震に至る過程を扱える方程式はない」と解説する。
さらに、大地震が起きる前から震源の断層が動き始める「プレスリップ」と呼ばれる現象が観測されることが、現在の地震予知の前提になっていることを指摘。「過去にプレスリップかどうか定かではない例が一つあるだけで、そんな現象が本当に起きるかは確かではない」と疑問を投げかける。
同書には、学術的な知識だけでなく、個人が自宅で備えておくべきことや、外出先で大地震に遭った際の心構え、地震発生後の救助や生活など、役に立つ情報も多く盛り込まれている。
「地震がよ〜くわかる本」は全国の書店で販売されている。
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