著者に会いたい 著者に会いたい
『地震と火山の島国』
(島村英紀さん 岩波ジュニア新書・780円)


 表題の「島国」は、世界で一番北にある小国アイスランドのこと。本書はこの国のガイドで、地球物理学の入門書でもある。「北海道大学・地震火山研究観測センター長」の肩書を持つ著者は、海底や地上に地震計を設置して観測データを取るため、1982年から12回も訪れている。氷河や火山の被害には悩まされるアイスランドだが、逆に、厳しい自然を利用して水道水はタダ、温泉も格安で全家庭に配給される。医療費も教育費も無料、平均寿命も長い。本書を読んで移住を計画中の人もいるらしい。

 この国は国土全体がプレートが誕生するところ、つまり隆起した海底火山の頂上にある。このためユーラシアプレートと北米プレートに、引き裂かれ続けている。そうした地球の活動を説明するプレート・テクトニクスや、新しく出てきたプリューム・テクトニクスの理論を、分かりやすく説明した本だ。「自分の子供に話すように書きました」。理科でつまずいた大人にもありがたい。

 北欧の歴史にも触れる。東西冷戦のころ、原潜銀座の北極海での観測は至難のことだった。「我々には国境も人種も関係ないのだけど」

 著書は多く、日本科学読物賞なども受賞。その面白さからサイエンス・エンターテインメントと呼ぶ人もいる。「科学者には説明する義務があると思う」。地震予知についても「わからないことや難しいことも含めて見通しを説明し、研究の必要性をわかってもらう努力が必要」という。

 観測は気象条件に左右される。お天気待ちのお供は本。お気に入りは別役実さん、出久根達郎さん、最近は阿川佐和子さんだそうだ。

=吉村千彰

   
【今週のビジネス本】
  • 『健康ブームを問う』(飯島裕一編著、岩波新書、700円)
  • 『チーズはどこへ消えた?』(スペンサー・ジョンソン著、扶桑社 838円)
    【書評】
  • 『フクロウの不思議な生活』(クリス・ミード著 斎藤慎一郎訳、晶文社・242ページ・1900円)
  • 『インターネットで日本語はどうなるか』(西垣通、ルイス著 岩波書店・245ページ・2000円)
  • 『片想い』(東野圭吾著 文芸春秋・379ページ・1714円)
  • 『山の郵便配達』(彭見明著 大木康訳、集英社・214ページ・1600円)
  • 『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り』(坪内祐三著 マガジンハウス・552ページ・2900円)
  • 『日本の軍事システム』(江畑謙介著 講談社現代新書・245ページ・680円)
    【著者に会いたい】
  • 『地震と火山の島国』(島村英紀さん 岩波ジュニア新書・780円)
    【ベストセラー】
  • 『石原家の人びと』(石原良純著 新潮社・1300円=5刷23万部)


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