『魚眼図』(北海道新聞・文化面)、1995年12月26日夕刊〔No.220〕

「有料」公開講座


 北海道大学に公開講座というものがある。毎年秋、8、9人の先生が1回ずつ、大学外の一般の人たちにお話をするものだ。テーマは毎年替わる。

 この公開講座は今年が20回目だが、受講者の数はこのところ減少気味で、五年前の250から、昨年は170にまで落ちていた。今年は例年以上に事前の宣伝をしたせいか、あるいは阪神大震災の年に「都市災害」をテーマにしたせいか、受講者数は210人にまで盛り返した。じつは私も駆り出されて、地震について1回分のお話をした。

 受講者の年齢は20歳代から70歳代までと広い範囲にわたっているものの、年輩の人ほど欠席率が低いなど、熱心さが目立った。男女別では、男のほうが5倍も多い。

 しかし、それにしても受講者の数は決して多くはない。その一因は6700円という比較的高い受講料を、しかも前納で払わなければならないせいであろう。そのうえこれは全回通しのお金で、たとえ都合があって欠席しても、興味があるものだけ聞きたくても、残りを返してはくれないのである。この金額や仕組みは文部省が決めていて、変えられないからである。

 しかし私には不満である。

 国立大学は税金を使って研究をしているわけでもある。その研究の成果を一般の人たちに分かってもらうことや、研究への理解を得ようという努力は、大学側が普段から心がけなければならないもののはずである。

 無料にするのは当たり前、それどころか、せめてお茶くらいをさしあげるべきではないかと思う。

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