出版後に気が付いた訂正

拙著『巨大地震はなぜ起きる これだけは知っておこう』の初版後、以下のように訂正しました。一部は、二版からは直っています。
(なお、さらに間違いがありましたら、ご指摘いただければ幸いです)


★二版から、250-251頁のコラムを以下に差し替え(写真とその説明は削除)

津波の被害は避けられる

 津波は海底で地震が起きるときに発生しますが、秒速数キロで伝わっていく地震の波よりはずっと遅い速さで伝わっていくものです。このため、震源までの距離にもよりますが、地震を感じてから津波が来るまでに20分間以上かかる場合がほとんどです。東日本大震災の場合も、強い地震を感じてから30〜45分以上たってから、襲われました。

 つまり津波が来るまでには逃げる時間があるのです。北海道南西沖地震(1993年)のとき、北海道の奥尻島ではその10年前に近くで起きた日本海中部地震(1983年)の津波を覚えている人たちが先導して、地震のあとすぐに人々を裏山に避難させて多くの人命が救われました。この地震のときは気象庁が津波警報を出すよりも前に津波が襲ってきてしまったのですが、夜だったにもかかわらず、人々の経験が多くの命を救ったのです。

 また、津波には地震が来る前に備えておくことも出来るのです。

 リアス式の海岸が多くて大きな津波に過去たびたび襲われてきた岩手県の沿岸では、宮古市姉吉地区のように津波が上がってきたいちばん上の地点に石碑を建てて、これより下に家を造らないことを言い伝えてきたり、大きな防潮堤を作って津波に備えていたところが各地にありました。

 今回の東北地方太平洋沖地震でも、周囲の沿岸の市町村が大被害を生んだのと対照的に約60世帯が住む岩手県綾里白浜地区は家屋の浸水さえなく、人的被害はゼロでした。三陸沖地震(1933年)の津波のあと、住民は津波の到達点より高い場所に自宅を再建したからです。津波がどこをどう通ってどこまで達するかが、世代が代わっても語り継がれ、地区全体で三陸沖地震クラスの津波に備えていたからでした。

 また岩手県普代村でも死者ゼロ、行方不明者1人にとどまりました。被害を食い止めたのは、かつて周囲の猛反対を受けながらも村長が造った高さ15.5メートルの防潮堤と水門でした。

 普代村太田名部地区の漁港や漁業施設は防潮堤の外側にあったために壊滅的な被害を受けましたが、防潮堤の内側の小学校や集落は被害をまぬがれたのです。

 1947年から40年間にわたって村長を務めた和村幸得さんは1933年の三陸大津波も経験し、防災対策に力を入れました。村では1896年の明治三陸沖地震の大津波で302人、1933年の大津波でも137人の犠牲者を出した歴史がありました。

 和村さんは悲劇を繰り返してはならない、と防潮堤と水門の建設計画を進めました。1968年に漁港と集落の間に防潮堤、1974年には普代川に水門を完成させました。これら総工費は約36億円。人口約3000人の村にはたいへんな出費だったために強い反対や、高さを抑えようという意見もありましたが、和村さんは15.5メートルという高さの主張を貫きました。それが今回の被害の小ささにつながったのです。


 そのほかの修正箇所 / 修正後  / 備考 (*はまだ直っていないもの)
p.45後ろから2行目 / 「火山と地震とが」 / 「火山と地震とを」  2刷りで済み
p.45表  / 「地質防災対策」 / 「地震防災対策」  2刷りで済み
p.76図 / 黒い部分に指示なし / 「玄武岩層」の指示  2刷りで済み
p.87 / 図右端「逆断層」 / 矢印2本を逆さに *
p.92 / 図の中の文言 / 「三陸沖地震」にする *
p.103図 / 図に東北地方太平洋沖地震の震源断層を加える *
p.105図 / 灰色の部分の矢印を削除(灰色部分が震源断層) *
p.153、1行目 / 「平らなところは、、」( 、を1つ取る)  2刷りで済み
p.173図の中の文言 / 「サハリン南沖地震」 / 「サハリン南西沖地震」  2刷りで済み
p.193図の出典 / 「国立博物館」 / 「国立科学博物館」  2刷りで済み
p.202図の数字 / 合計? / 合計欄を削除する(引用文献の合計が合っていない) *
p.210後ろから8行目 / 「2つの」 / 「これらの」  2刷りで済み
p.214表 / 項目15にある「4」と罫線 トル  2刷りで済み
p.250 写真の説明 / 「十勝支庁大津町で」 / 「北海道豊頃町大津で」 *
p.265図のタイトル / 「意外と」 / 「意外に」  2刷りで済み
p.266、11行目 / 「ありますし。」 / 「ありますし、」(。を、に)  2刷りで済み
p.284図 / 「空気コンロ」 / 「電気コンロ」  2刷りで済み
p.289、7行目 / 「トイレの水流」 / 「トイレの水洗」  2刷りで済み


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