2008年8月1 日 学校図書館速報版 (4面)

選定図書から (小学校高学年・中学校向き〉
『地球環境のしくみ』 B00K REVIEW

島村英紀著。さ・え・ら書房。141p。20cm。定価1,575円

 地球環境に関する児童向けの本はあまたあるが、じつくりと読ませる科学読み物のように書かれたものは希有である。本書の第一の存在意義はそこにある。

 著者は、元国立極地研究所長の地球物理学者だ。環境悪化の個々の事例や対策云々ではなく、もともとの地球環境のしくみや、悪化のしくみを学者らしく根拠を明確にしたうえで、全地球的な見方で伝えてくれる。

 作者は言う。「そもそも問題の根元はどこにあるのか、どう考えればいいのか、といつた肝心なことは(マスコミなどの報道では)なかなかわかりません。/それは地球ができてから、今日までの地球の歴史について考えていないためなのです」。本書はその地球の歴史からわかりやすく解説し、問題の根元に迫つていく。

 二酸化炭素の”役割”を伝える第1章「地球を暖めてくれる二酸化炭素」ほか6章から本書はなるが、索引はない。

 データを駆使した読みがいのある文章と、さし絵と写真がいくつかあるだけである。だからこそ、地球環境について既知の情報の整理ができるとともに自ら考えることを求められる。こんな読書も必要だろう。(Q)

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2008年9月:「第20回読書感想画中央コンクール」(またはこちら)の指定図書(中学・高校の部)に選ばれました

指定図書は13点あり、そのうち中学・高校の部は5点です。

2008年9月20日(土曜)の毎日新聞朝刊(13面)に指定図書が紹介され、そのうち、この本の説明として「本書には、地球と共生するためのヒントが満載されている。環境への関心が高まり、二酸化炭素削減に関する報道も多い。オゾンホールや水質汚染などの環境問題を解消し、未来につなげるための工夫が大切である。」 と書かれていました。

このコンクールは、読書の感動を絵で表現するもので、主催は(社)全国学校図書館協議会、毎日新聞、実施都府県学校図書館協議会で、今年で20回目。昨年は7,431校、53万1276点の応募があったそうです。

島村英紀『地球環境のしくみ』(さ・え・ら書房) への読者の反響

2008.5.26 「流れのある文章の中で説明されているため、読みやすく、論理的に理解できました」

流れのある文章の中で『地球環境のしくみ』が説明されているため、読みやすく、論理的な理解が容易であったと感じました。

図式もわかりやすく、地球環境のことがすっと頭に入ってきたように思いました。


2008.8.28 「中学生あたりを対象に書かれたとのことですが、どうしてどうして素人の大人が読んでも大変面白く、考えさせられる問題が山盛りでした」

「地球環境のしくみ」は、中学生あたりを対象に書かれたとのことですが、どうしてどうして素人の大人が読んでも大変面白く、考えさせられる問題が山盛りでした。

地球環境に関する課題が沢山、しかも明確に提示されおり、現代社会に対する告発の書でもあると思いました。平易明瞭な文章で重い課題を我々大人にも突きつけておられるように思います。島村さんでなければ著すことのできない一冊だと思いました。

 

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