島村英紀の裁判通信・その15
(2006年12月10日に配信)

応援メッセージ Part 3。論告求刑と最終弁論を終えて、結審後


10月、11月と多くの方々から励ましのメッセージをいただきました。島村には、こんなに多くの友だちがいたのだと感動しています。

島村本人だけでなく編集部としても、とてもうれしいメッセージでした。力が沸いてくる思いがします。どうもありがとうございました。

この素晴らしいメッセージを、皆さまにもぜひご覧いただきたいので、個人名や職場がわからないようにして(過剰反応気味にカットした部分もあります。ゴメンナサイ)お届けします。

最近、島村英紀本人に伝えたことがあります。私たちは(皆さまも含めて)「支援者」ではない。ただ「友だち」だから書いているし、読んでいるのだ、と。
<編集部> 

7106/10/10
ご尽力のおかげで、集会やデモがなくても、いろいろな場で縁のある人々の共感を束ねることができることがわかってうれしい限りです。 しかし、それも、ハブ役を買って出て、無償の労を厭わない人の存在があって、はじめてできる輪です。

事が本質に迫ってゆけば、その輪は大きくなりますし、事が落着すれば輪を解いて個に帰ります。輪を転がすことが必要な事態になれば、行動を呼びかけることもあるでしょう。

好結果が生まれれば、費用持ちよりの祝賀会に集うことがあってもいい。そして、また、別の輪を組むときに離合集散がある。これがネット時代の一つの運動形態ですね。

貴兄の仕掛けは、マルティテュードの運動を目の当たりにしている思いです。ご苦労なことですが、ハブ役を続けてください。

7206/10/10
柏書房の本が出た時に、気になって身近な人間に懸念を言った覚えがあります。たぶん、ご本人にも話したような気がするのですが?。それにしても、こんな無茶苦茶なやり方で、事件が作られてしまうとは想像もできませんでした。

東京に移られてからお目にかかり、アイスランドに留学(?)している人を、紹介するはずでした。

まさに逮捕当日の約束で、奥様からキャンセルの電話をいただきました。北海道新聞のHPぐらいしか情報がなく、雑事にまぎれて釈放も一月遅れで知った次第です。

ご本人、ご家族はもちろん、支援されている方々も、たいへんな日々が続くのだと思います。くれぐれも健康を損ねないよう、この難事から一日も早く解放されることを、祈っております。

7306/10/21
島村さんの裁判通信、ありがとうございます。じっくり読ませてもらいます。

東大新聞の戦後史をまとめようという機運があり、池田さんにも近々お会いしたいと思っているところです。裁判通信の作成メンバーがあの時池田さんを支えた皆さんであることにびっくり。友情が堅いですね。

一度お会いしたいですね。とりあえずご挨拶まで。

7406/10/26
先生には何度も申し上げたのですが、どんな人間にもある判断ミスや甘さが、島村先生のようなお立場(社会的地位が高く、花形でねたむ人も多い)の方にとっては命取りになることもある、ということと理解しております。

たとえば、研究の機動性のために個人名義の口座にお金を入れておくのは、厳密に言えば「横領」に当たる、と言った具合に。

まだ拝読していないので、ことの経緯すら正確に把握していませんが、ご本人のことばで事実関係をお聞きできるのを貴重な機会と感謝しております。

7506/10/27
島村先生、 ご無沙汰しております。

地震学会の理事会で、学会のHPに事件の声明を出す件(編集注1) (編集注2)で,心ならずも賛成の意志表示をして以来,ずっと先生の事が気がかりになっておりました。今回メールをいただき,少しほっとしております。

先生の事件の件は、私としても大変気にかかっております。特に先生が予知批判の論陣を張っておられたことから、余計に何か裏があるのではという気持ちは続いております。

何やかやと忙しく、なかなか自分の研究めいたことは進まないのですが、また、先生の教えなどをお借りしながら,ゆっくりと勉強していきたいと考えております。

どうぞ今後とも、よろしくおつきあいください。

(編集注1)
■ 社団法人日本地震学会  島村英紀会員の逮捕について

2月1日、本会の島村英紀会員が、詐欺の疑いで札幌地方検察庁に逮捕されました。報道によれば、北海道大学が海底地震計などを売却したように装って、ノルウエーの大学から約2千万円をだまし取ったとの容疑によるとのことです。容疑が事実であるならば、地震研究者への社会的信頼を大きく裏切るものであり、極めて遺憾と申さざるを得ません。

同会員は本会の代議員の職にあり、日本地震学会としてもこの事態を極めて重く受け止めております。今後の捜査の進展を見守り、適切な処置を行って参ります。

皆様には、ご心配をおかけして誠に申し訳ございません。ご理解の程、何とぞよ ろしくお願い申し上げます。

2006年2月3日  社団法人日本地震学会

(編集注2)
■ 社団法人日本地震学会「ニュースレター」より  会員の皆様へ

 去る2月1日,本会の島村英紀会員が,詐欺の疑いで札幌地方検察庁に逮捕されました.会員の皆様には,さぞご心配のことと思います.島村会員は本会の代議員の職にあり,また,その容疑は地震学の研究活動に密接に関わるものです.これらのことから,日本地震学会としても,この事態を重く受け止めなければならないと考えます.

 理事会は,日本地震学会の姿勢を直ちに明らかにする社会的責任があると判断し,下記の声明を本会のホームページに掲載致しました.このことは代議員メーリングリストを通じて全代議員にお知らせしましたが,ここに改めて会員の皆様にご報告する次第です.

 この声明は,理事会に委ねられた権限の範囲内で,緊急に日本地震学会の基本的姿勢を社会に表明したものです.文面から明らかなように,捜査当局の容疑事実を前提とした処分を意味するものではありません.今後の対応については,事態の進展を見守りつつ,理事会としても慎重かつ適切に対処して参ります.

 代議員の皆様からは,声明のホームページ掲載について,賛否両面からのご意見が寄せられました.これらのご意見は,今後の対応に適切に反映させて行く所存です.会員各位のご理解を何とぞよろしくお願い申し上げます.

2006年2月15日  社団法人日本地震学会理事会

■ 追記 : 2月21日,島村会員は札幌地検により起訴されました.本日現在,理事会は対応を検討中です.(2006年2月22日)

2006年2月3日に早々と「遺憾表明」を出した日本地震学会が、4月になって「掲載削除」記事を出していることに気づきました。

読者の一人である方の強硬な抗議によるものと推察します。感謝とともに、日本地震学会の右往左往ぶりがわかる記事も紹介します。
<編集部>

7606/10/28
地震学会の会員です。

冤罪かどうかよりは、このような件で御自分が採用した助手にササれたことや、東洋の倫理感から、大変今回の件はがっかりしておりますし、逮捕前に氏に直接、一生棒に振るには額が少なすぎて情けない、などと冗談まじりに、私なりに文句を申し上げましたぐらいで、このメルマガを読む資格があるのか、ちょっと心配ですが、興味本位ではなく、拝見いたします。

勾留がいやに長かったのと、普通この程度なら在宅起訴相当だろうと推測して、若干、やったことに比して裁判前にイジメられている気がしております。

島村さんは、どうしてジャーナリストにならなかったのだろうと、今はそれが残念でございます。地球物理の学者はもうちょっと朴訥でしつこい方が、なったほうが良かったのです、きっと。

まだ島村さんを心配してくださる方々が居られることは、ちょっと安堵いたしました。

どうか、島村さんをよろしくお願いいたします。

7706/10/30
通信をお送り頂きましてありがとうございます。

ざっと目を通しまして、今更ながら腹立たしくてなりません。なるべくこちらの感情をしまっておこうと思ってきたのですが・・

また、通信に書かれている内容には、いちいち同感しております。ご本人の毅然とした様子にはこちらが慰められる思いですが、何事もなく過ぎ去ることを心から願っております。

今後ともよろしくお願い致します。

7806/10/29
10日間も留守にしていて、メールを開けたら膨大な量(そのうちの7割は迷惑メール)に圧倒された。これが6ヶ月も続いたらどうなんだろうと、島村の勾留期間を考えてしまった。

そして、島村裁判関連の動きにつき、編集部の中で交わされた半端でない濃密かつ頻繁なやりとりには改めて感心した。

まだ、すべてを精読できてはいないが、ただただ敬服。裁判通信12だけは、精読。僕にはとてもまねできない纏め方だ。他の読者にもよく分かる内容だ。

3週間ほど前の週刊誌に「検証・国策逮捕」(東京新聞特別取材班・光文社刊)の書評が出ていた。東京新聞に連載された記事を膨らませたものらしいので、内容は大体分かる。

島村の逮捕・起訴もその異常さからして、スケール・目的こそ違え、これに近いものを改めて感じる。

まだ、論告求刑文を精読していないのだが、検察に意気込みが感じられないとのことと、任意同行なしのいきなりの逮捕といった「異常な」(尾崎弁護士)始まりとの落差はどこから来るのか。

やはり、島村の学問的発言の抹殺が目的であったとしか思えなくなってくる。判決はどうであれ、逮捕という時点で、社会的には抹殺されたも同様というのが、今の日本社会の実情なのだから。

何れ、この点との戦いも、俎上にかけなければ、今回の件の決着にはならないのかも知れない。気が遠くなるようなことだが?。

7906/10/30
今までの通信では、裏に隠れている相手を非難しても、彼等を攻撃の対象にした(又は、すると予告した)ことはほとんど無かった。

彼等は必ず通信を入手して読んでいるはずだ。

ここらで、ちょっと予告?(脅し?)のジャブを出しておくのはよい戦術(相手内に不安や内紛を誘起できるかも知れない)だと思う。

また「気が遠くなるようなこと」でもないと思う。先ず、攻撃し易く、ガードも堅くないだろう目先の相手から始めればよいのだから。

8006/10/30
裁判通信を読む機会をこのたび得たことにより、これまで知らなかった多くの新しい事実を詳細に知るルートを得ることができましたし、今回の一件の背景にあるものについても深く考えを巡らすチャンスを頂きました。本当に有難うございました。

皆様がこんなにもお時間をかけて、労を惜しまずこの問題と真剣に闘って下さっておられることを知り、感動と感謝の念でいっぱいです。私も、これから勉強しながら、この問題の本質と向かい合っていきたいと思います。

これからも、どうぞよろしくご指導のほど、お願い申し上げます。

巷には、しつこい咳や痰をともなうかぜ(正確には急性上気道炎や急性気管支炎)がはやっています。どうぞお体に気をつけて、お元気でご活躍くださいませ。

8106/10/31 編集部
ご丁寧にありがとうございます。

まぁ、徘徊老人たちがボケ防止で突っ張っているとご理解ください。

私たちは、2月の逮捕直後、「いったいなにが起こったんだ?」と相談しました。なにしろ本人がいないのですから、だれと連絡をとっていいやら、皆目わかりません。とりあえずネットで情報を集めることから始めました。

新聞記事は悪意のあるものばかり。つい、「そんなことしてたのか!」と信じたくなります。

島村君の友人知人もきっとそうだろう。この事件が解決した後の交友のためにも、「なぜ?」を調べて、知らせようと考えたのです。

「そんなことをして、なんの役に立つのですか? 騒がれるほうが迷惑です」という意見もありましたが、コワイものなどない徘徊老人としては、勝手に調査を始めました。

幸い、北海道にも島村君の「仲間」がいました。また北海道に出かけた仲間が、弁護士に会うことができました。ここで、「あの弁護士は信頼できる」とわかりました。

島村君はすぐに出てくると思っていたのですが、勾留は続き、そのうちに裁判が始まってしまいました。

ここで島村君のお嬢さんに会うことができ、話がつながりました。あとは通信に書いてある通りです。

8206/10/31
お返事を、有り難うございました。

「 徘徊老人たちがボケ防止で突っ張っているとご理解ください」とおっしゃいますが、 まだお会いしたことがない皆様方のお姿が、目に浮かぶようです。

それにしても、皆様方のとてつもないエネルギーには、本当に圧倒されております。

「 新聞記事は悪意のあるものばかり。つい、「そんなことしてたのか!」と信じたくなります。島村君の友人知人もきっとそうだろう。この事件が解決した後の交友のためにも、「なぜ?」を調べて、知らせようと考えたのです」とは、本当に、ありがたいことです。

兄はこんなにも愛情深いお友達に恵まれて、本当に幸せだとつくづく感じました。それとともに、兄が皆様方のご期待を裏切るような悪事に手を染めていたのではなかったことも、幸せに思いました。

8306/10/31 編集部
先日、島村の要請により、メルマガ「裁判通信」をファイル添付でお送りしました。

お送りしたファイルはバケてはいなかったようですが、読みにくかったかもしれません。macのsimple textで作ったファイルでしたが、windowsでは改行などが消えてしまった可能性があります。じつは「繋がっていて、とても読みにくかった」とのご指摘をいただきました。

macは少数派ゆえに、windowsからのファイルもたいていのものが読めてしまうため、逆の場合、改行が消えるとは気づきませんでした。

わかりやすいということから、十数年、macだけで済ませてきた凡ミス! 「鏡」がなかったため、友人から指摘されてようやく気づきました。すみません。まぁ、徘徊ボケ老人がやっていることとお許しください。

「もう一度送れ!」とメールをいただけたら、いままでのものを、メール本文で送り直します。

以前はずっとそうしてきたのですが、最近はズルをして一挙に送るため、ファイル添付にしていました。元のメールは残っていますから、簡単に「転送」で送れます。

10通以上のメールがまとまって届いて、開くのさえご面倒とは思いますが、「通信12」のような形のほうが読みやすいのは確かです。

皆さまに読んでいただくのが目的。どうかご遠慮なくお申し付けください。今週末までに、読みやすい形でお届けできます。

8406/10/31
ご丁寧なご配慮をいただき、ありがとうございます。

私の場合は、全く問題なく読ませていただいておりますので、再度お送りいただく必要はありません。お心遣い、誠に恐縮です。

パソコンは苦手で、人様に言えないような扱い方をしておりますが、とりあえずまとめて保存し、プリントしたうえで読ませていただいております。

定年まで書籍編集以外の仕事をしたことがないために、活字人間になってしまったのでしょうか、どうしても画面で読むことに慣れません。

『裁判通信』を読ませていただいて、考えることがたくさんあります。

ひとことだけ申しますと、一般人の気付かぬところで空恐ろしいことが行われており、その矛先が、よりによって、あの、島村さんに向けられるとは?です。

ご面倒をおかけいたしますが、今後ともどうぞよろしくお願い申しあげます。

ありがとうございます。

8506/10/31
いままでいただいたものは、すべて改行等、正常になっています。

このメールはmacOS9+netscape4.7からですので、「正しく読める」環境ですが、winXP+shurikenという環境でもまったく同じく正常に読めています。

実際、改行コードはmacでもwinでも同じはずなのでふつうに考えれば正常に読めるはずです。推測すると、アウトルックだと何らかの事情で化けるということだと思います(といっても、アウトルックが圧倒的に多い環境で言ってもムダですね)。

ためしにダウンロードして一太郎にペーストしてみたら、問題ありませんでした(これもワードで実験できないという問題がありますが)。

編集部のせいではなく、マイクロソフト社のせいなので、「文句をつけているほうがおかしい」と開き直ってください(この圧倒的なシェアの前では、そう言うのも変人かもしれませんが)。

今後ともよろしくお願いいたします。

8606/10/31
お気遣い、ありがとうございます。

私が受け取ったものもずるずると中々改行せず、読みにくかったのですが、プリントアウトするときれいにA4に印刷! 問題なしです。この情報、皆さんに知らせたいですね。

8706/11/1
貴兄の対応を読んで、プロの編集者の気配りに吃驚すると共に、感心しました。

私は、誰かが「ベタ打ちが読みにくいのでどうしたらよいか」と聞いてきたら、答えられるようにあのMailを、念のため、送っただけでした。

まさか、「ファイルで送った10人の方に下記のメールを送る」とは夢にも思いませんでしたが、でも、その方が親切ですね。

技術屋と編集者(変な比較ですが)は随分違いますね。

我々技術屋は、自分で何とかするのが当たり前、できないのは自分に知識と技術がないからだと納得します。 どうしても何とかしなくてはならない時は、自分で調べたり、その専門家に聞いて何とか対応します。

自分ができないことを他人のせいにしたら、一丁前でない証拠と安く見られ、次から相手にして貰えません。

でも、「返事」を読んで、みんななかなかやるな! と感心しました。

最後の方で「WinXp+Shurikenの環境でも正常に読める」と書いておられる人は、Macと使い分けているようですが、よくご存じです。

確かに、改行、ブランク行が無視される原因は、どうもOutlookExpressにあるようです。ただし、改行等のコード(システム)は同じでなく、最近のWordや一太郎のような本格的なエディター(ワープロの総称)ではどのエンコードを使うか(変換)を聞いてくるのですが、OutlookExpressのエディターは、未だ、自分が判断できないものは無視してしまうようです(その内になるとおもいます)。

でも、これを正確に調べるのは大変(本が手元にないのでInternetであちこち探し回らなくてはいけない)なので、「MACとWindowsで、テキスト文の文章の表示システムが違うからと理解しています」と私のMailではぼかして逃げました。

また、印刷するとちゃんと改行されるのは、通常、エディターはプリンターのドライバーに、小泉首相のように、指示だけ付けてコードセットを丸投げしてしまい、プリンターのドライバーはいろ
いろなコードに対応できるので正常? に機能するのだと思います(これも推定)。

とにかく面白かった。

8806/11/1
裁判通信をお送りいただきありがとうございます。

12月のはじめに友人達と彼を激励する集まりを持つ予定です。

8906/11/9
島村裁判通信大体読み、私なりに事件を理解しました。素人ですが(司法クラブを5年担当しましたが、素人であることは間違いない)、少々感想をのべさせてもらいます。

(1) この事件は本来民事で争う話で、北大が告訴して刑事事件になったのが不思議だ。

(2)長期勾留で検察のストーリーにあわせた「全面自供」を狙うのはロッキード以来、検察の得意技(?)だが、あなたを6ヶ月も勾留するような事件ではない。こんなことがまかり通るのは空恐ろしいことだ。

(3)それに対して自分が何も出来なかった(しなかった)のはまことに恥ずかしい。それに引き換え、みなさんらの友情と行動力には敬意を払うのみ。

(4)それ以上に、検察のストーリーを拒否し、がんばったあなたは凄い。尊敬します。エリートの強み、なのかな。

(5)さて、刑事事件にされてしまうと、冤罪だ、と言っても中々通用しない。弁護側冒頭陳述のさいご(まとめ2)が世間的には妥当なところでしょう。和解も成立させ、弁護側としては執行猶予つきの判決を勝ち取ろうという考えと見ました。

(6)余計なお世話ですし、もう十分弁護団と相談を済まされていると思いますが、執行猶予が着いたら、一旦、裁判の幕を引かれるべきでしょう。

(7)長期勾留の件だけでも、あなたは無罪を勝ち取る権利があります。そしてそれは国民にとって大いに意味のあることです。しかし、そのためにあなた一人がこれ以上重荷をしょってがんばる義理はないでしょう。

(8)以上、ついつい余計なことを書きました。お気に触ったらお許しください。

9006/11/12
裁判通信の送付、ありがとうございます。たいへん立派な弁論です。最初のころ情報がほとんど入らない中で弁護士さんの対応に不安を持った時期もありましたが、杞憂だったようです。

裁判官が素直に判断してくれることを祈っています。

9106/11/12
いつもお送りいただきありがとうございます。無罪判決を願っております。

でも、「個人の口座に入れたことは軽率であった」とかいったおとがめのことばは、あったほうがよいと思っています。

島村先生のような世界の研究をリードする立場にある方ほど、「突っ込み」を入れられる余地を残さないよう注意しなければならないのに、それを怠った責任はあると、私は思っています。あと、後世への「しめし」みたいな意味も込めて。

「研究の機動性を保つために便宜上研究費を個人の口座に入れる」のを、ほかの方も同じようにしておられたとは聞いていますが、こういうのは、「名前を出された者の負け」で、活躍しておられる方ほど、刺される可能性は高いわけですから。

名もない、業績もない人を告発してもなんの意味もありませんからね。まあ、実績がなければあまり大きなお金ももってこられないので、必然的に「私する公金」がないわけですから、個人の口座に入れる必要もない、ということにもなりますが。

私も大きな会社、しかも批判されがちな会社にいるので、よく分かります。

ある学術出版社から出ている、学術的だけれども一般読者も対象としている本に、かなりおおっぴらな美術家の著作権侵害があって驚いたことがあります。

著作権者(物故した外国の画家の著作権継承者)にしても、地道に活動している学術出版社(著作権者の定めている高額な著作権料を払えないかもしれない)をたたいてもあまり意味がないし、かえって非難される可能性もありますから、ことを荒立てていないのだと思いますが、もし、これを私の会社がやっていたら、抗議が来たでしょう。たたかれやすい立場の者、つまり、ある世界で権威である者は、ルールを守るのが世の中に対するつとめでもあると思います。

私個人は市井の凡人なので、島村先生と立場はちがいますが、だれにでもある脇の甘さが思いがけない悲しい出来事につながることもあり得ることを、自分に言い聞かせようと思っております。

9206/11/12 編集部
おっしゃる通りです。

2月、私たちがいちばん最初に支援対策会議をしたとき、期せずして「脇が甘かった」との感想が出ました。「大学ではそんなものだろうが・・」です。

しかし、その脇の甘さに対して、171日間の勾留というのは納得できませんでした。どこかで「島村理論」をつぶす動きがあったのだろうと想像します。

9306/11/12
おっしゃるとおりです、とそのままお返しします。

ほんとうに、「脇が甘いから、こんな疑いをかけられるのですよ」と叱られておしまい、というのが妥当な線という気がします。

私の聞いた話は、「北極ももっと研究しよう」という先生の姿勢が、伝統ある南極派の一部の気に入らなかった、というのですが、南極派に「嫌がらせ」以上のこと(不当と思われる勾留)をする力があるのかどうか、よくわかりません。

南極観測に情熱をもっている研究者のほとんどは良心的な方と思いますが、私に話してくれた方によると、一部に「予算が削られることを過度に懸念する小心者」がいるということのようでした。

観測船の寿命がきて造り替えなければならない、という時期ですから、神経質になっている方は、たしかにいるのでしょうね。

9406/11/12
「弁論要旨」と島村英紀氏の「最終陳述書」を拝読させていただきました。

「最終陳述書」の真摯な陳述には感動を覚えました。

島村氏の活躍される日の早やからんことを念じております。

9506/11/13
いろいろと大変なことがあったようですね。

詳しい事情は存じませんが、何か人間関係のトラブルか誰かの罠で、抜き差しならないことになったのでは、ど案じております。

しかし、先生の業績を知る者で、そのご真情を疑う人間はいないと思います。

往々にして、順風のあとに逆風が起こりがちですが、そのあときっと、また風向きが変わるものと思います。どうか今までと変わらず、ご研究をお続けくださいますようお願いします。

9606/11/14
「島村英紀裁判通信12」 及び 「島村英紀裁判通信13 最終弁論」を受信致しました。

お手数を煩わして、厚く御礼申し上げます。公正な無罪判決の出ることを期待します。

そして何とかして、島村さんが生涯の研究を再開出来ることを祈念致します。

9706/11/14
先日「和解」と小さい記事を見ました。「なんで先生がお金を払わなきゃいけないの?!」と思ってしまいます。

寒くなって参りましたが、皆様お体にはお気をつけてご活躍下さいませ。

なにかお手伝いできることがあればとも思っております。突然のお願いで恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

9806/11/16
裁判通信12(第10回公判。06/10/25)で、

「そもそも今回の事件は、地震予知の可能性その他の主張に関していろいろな政治的な圧力があったかも(なかったかも?)しれないが(又は、単なる研究上の恨み、辛み、嫉妬だけだったかもしれないが)、事実関係の本質は犯罪を構成するようなものではないと思います。」とありますが、

まったくその通りと思います。わざわざ裁判なんかしなくたって、私にだって、そのぐらいのことわかっていましたよ、と言いたくなります。

また、「裁判通信で第10回公判での論告求刑(06/10/24)について

「人は内容がないとき、下手な形容詞・形容句を多用する。最近の例では「美しい国」がいい例である。この論告でも、・・・」とありますが、

このさりげないコメントもとてもよかったです。編集に携わる者としても大変参考になりました。

9906/11/16
(
(上記98のコメントについて)

裁判通信13を読んだ時から、「こんな事書いたかな? 島村君から次々と送られてきた最終弁論案を読んでいる内に、だんだん頭に来て何か口走った(指が走った)かも知れない?」と疑問に思いながら、調べもしませんでした。

今回は気になって、Mailを過去に遡って開いている内に、「あった。論告を読んで、頭に来た時だ」と判りました。

納めるべき人が、納めるべき所に納めると、現役の編集者が反応しコメントをくれるんだ! と納得しました。

さすが専門家はすごいと感心しきりです。

10006/11/17
さっそく「島村英紀裁判通信」をお送りくださり、ありがとうございました。

<編集部>のうち、池田君はよく知っていますが、ほかの諸兄とはたぶん面識がなかったと思います。池田君とは久しく会っていませんが、昨夜の会合で、島村君から元気だと聞き、うれしく思いました。

お送りいただいた「裁判通信」は「01」だけワードを開いてみましたが、かなり長文のようなので、以下、最終弁論要旨まで、ゆっくり読ませてもらいます。

実は、白内障の手術を間近に控え、パソコンの文字を速読するのは、ややつらいのです。あしからず。いずれお目にかかる機会があれば。

まずは取り急ぎ御礼まで。

10106/11/18
島村さんの裁判通信有難うございました。

これからゆっくり拝見します。

ところで裁判通信の最近のところを拝読しましたが、被告側の姿勢が一貫しているのに引き換え、原告側は腰砕けの兆候が見え、被告側に有利な方向に動いているさまが見て取れます。

惜しむらくは、島村氏の地震計のアイデアの知的財産権が特許などで証明できれば良いのですが、特許の話が何もでてこないので、多分ないのでしょうか?

 この技術の専有性が明確なら、どなたかが言っていた、「ノルウェーへは機械の使用権を(一時的に)供与したに過ぎない」ことの重要な裏づけになると思うのですが・・・・。

10206/11/18 編集部
特許の話は、弁護士からも訊かれました。

しかし、世界中で、せいぜい数十台しか使われない理学系の観測機器では、特許をとっても、手間と申請費用が無駄なのです。

特許で押さえていても、誰もその特許を買ってくれないし、もしかしたら、他の研究者(つまり島村の競争相手)が自分用に使うもの(つまり売るものではないもの)では、特許権の侵害として抗議(提訴)できないかもしれません。

特許というのは、何万台以上と売れるものに、初めて意味があるのではないでしょうか。

10306/11/19
8年間特許関係の仕事をして、特許法や係争の審判などの実際に触れる機会がありました。しかし、今でも特許を取得する効用についてはいろいろなケースがあり、判然としない所があります。

1.先ず、私の経験から推定して、島村君が開発した海底地震計については、何千メートルもの海底に設置、記録、回収するという特殊な用途ですので、その用途に限定すれば、それぞれの機能を有する機構などについて、かなりの数の特許が取得できるだろうと思います。

2.しかし、その特許が何か利益をもたらす可能性は少なく、申請料、審査請求料、特許取得後の維持料(これに毎年かなりの金額が必要です)などの費用を考えると、島村君が言う通り、それだけ考えるとペイしないでしょう。

しかし、独立行政法人となって、特許も成果(実績)の一つに数えられ、その成果に従って国の予算等が配分されると言うことになれば(現時点ではそうなるか未だはっきりしていませんが)、話は別です。

3.今回初めて知った(気がついた)のですが、民法246条1項但書にある「加工による所有権の取得」に関係して、「加工物の価格」を評価する場合、特許が取得してあれば極めて有利に所有権を主張できるだろうと言うことです。島村君が弁護士から訊ねられたのは、その意味でしょう。特許にこんな効果があるとは知りませんでした。
4.取得された特許を全般的に見て、最先端を行っている新しい分野のほんの一部を除いて、特許はそれ自体が利益を生むというより、競争相手に先に特許を取られ、係争に持ち込まれたり、特許料を支払う必要が生じたり、最悪の場合はその技術が使えなくなったりする事態を防ぐ、いわゆる防衛の為の特許(防衛特許)が殆どです。

しかし、その取得した特許について、企業が発明者から高額の分け前を請求する訴訟を起こされ、(過渡的な現象でしょうが)裁判で高額の支払いを命じられるという、何とも皮肉な結果も招いています。

よく考えてみたら、上記4.の説明は誤解されるので、追加説明します。

もし島村君が北大時代に特許を取っていたとすれば、今迄の国立大学の制度では多分、発明者が島村英紀で、出願者が北大(所有権も北大)になっていた筈です。

そうすると北大はそれも根拠にして、海底地震計の所有権を主張したのではないかと懸念されます。従って、特許を取っておかなくて、かえってよかったのではないかと思われます。

10406/11/20
裁判通信を送っていただき、有り難うございました。裁判の様子が手に取るように分かっただけでなく、皆さんの温かな気持ちが伝わってきました。

今、この国は病んでいると私は思っています。相変わらずの無責任体制、自由への無理解。自分の足元すら分からず、危うい道をたどっているように思います。

島村さんのような善良な市民を逮捕しただけではあきたらず、信じられないほど長期間拘束する。これは国家による「いじめ」にほかなりません。

予知もできないのに東海地震の「予知体制」などという馬鹿げたものにこだわっているこっけいな姿を批判されたことが、そんなに癪だったのでしょうか。私もこれまで記事を通じて、非科学的な政策を批判してきましたが、自分の向き合ってきた相手がこれほど醜悪なものであったことにあらためて驚いています。

一部の会員の暴走でしょうが、地震学会の動きにもあきれました。学会は人を裁く場ではありません。ましてや推定無罪の段階で、まるで有罪判決を言い渡すかのような文章を得々として発表するとは。あまりの常識のなさに愕然とします。

「倫理」が問題なら、地震予知が難しいことが分かっているのに、予知ができたなどというでたらめな連中を放置したり、予知ができるような顔をして「予知計画」を進めてきたりしたことこそを、問題にすべきではないかと思います。

緻密な弁論によって、検察の主張はすべて崩されたように思います。無罪判決を確信しています。

10506/11/24
「通信」を読む限りでは楽観できそうな感じもしますが、どうなんでしょう。

いずれにしても、今回の一連のことで、この業界(または北大?)にはあからさまにサイエンスとは別の動機で行動する人たちもいる、ということがわかったのは衝撃的でした。

10606/11/28
早速ありがとうございました。

たいへんな貴重な活動をしてくださっていたのですね。改めて御礼申し上げます。

昨夜は留守していたので、今帰宅して拝見した次第です。

最初と最後を、まずつまみ食いしただけですが、これからじっくりよませていただきます。絶対無罪を勝ち取りたいですね。

今の弁護士さんに依頼される前に、ご本人から直接手記をいただいていたので、絶対冤罪だと思っています。余りにも理不尽で不当な仕打ちに、腹が立ちます。一方で、タウンミーティングの超無駄遣いの件など、ほんとうに頭にきます。

小さなエピソードもお伝えしたいと思いますが、まずはお礼まで。

ありがとうございました

10706/11/29
こちらこそ、お手数おかけしてすみませんでした。

島村さんは、私の大切な親戚です。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

10806/11/30
送っていただいた長編の記録を読破しました。 不在中のこととはいえ、何も知らなくて本当にびっくりしました。

それにしても171日の勾留、接見禁止とは、この程度の詐欺事件では考えられないことです。

そのことに対するメディアの反応も鈍すぎますね。とにかく、全編驚きの連続で読みました。

感想の第一は、島村さんは良い友人、ご家族に恵まれているな、ということ。第二の感想は、検察の異常さです。いずれにせよ、一度じっくり話を聞かせてください。

10906/12/6
和解が成立すれば、和解調書というのかどうか知りませんが、文書に双方が調印するはずです。この文書は、こういう事案ですから、公開されていると思いますが、この頃のブンヤは、こういう基礎情報も取り寄せて読むことをしないのでしょうか。

最近、朝日が、教育基本法改正にからんだ「やらせ質問」をスクープをしましたが、あれは、教養学部新聞の仲間の長男が書いたものです。日付は忘れましたが、1面トップに署名入りの記事がでかでかと載りました。この頃のブンヤも、捨てたものではないと思っていた次第ですが。

11006/12/6
国立大附属中学のPTA役員をしていたときに、寄付を集めて野球道具を寄贈しました。

その道具の所有者はだれでしょうか? PTA? 学校? 野球部?

国立大学では、支出は予算で決められていますが、予算にない収入は概念にないため、「存在すること」を排除しています。「無私物」というのだそうです。

それは日本の法律が、「AのものでなければBのもの」というドイツ法の体系になっているから、それに該当しないものはわからなくなるのです。

経済の問題は、「AのものでもBのものでもない」というグレーゾーンを認める英米法でしか理解できないのです。「和解」というのは、この「Aでもない。Bでもない。だったら足して2で割ろう」ということではないでしょうか。

11106/12/6 編集部
そこで思い出しました。ある判事が「本来なら事件にならないのではないか」という感想を、弁護士に漏らしたという話です。

11206/12/6
裁判通信、ありがとうございます。

この日曜日に、友人達で彼を激励する集まりを持ちました。

11306/12/7 
読み応えありでした。

11406/12/7
ご苦労様です。今回の「通信15(民事和解について)」を読み終えて、事件の全容が(この稿の記述だけでも)、はじめて理解できました。

1 朝日のひどさ、

2 1850万円の意味、

3 かね=研究費の流れの実体、

4「脇の甘さ」という、世知に長けた悪知恵=腐敗と、愚直なまでに研究に没入した「学者馬鹿」との対比を垣間見せたこと、

5 天から降ってきたような事態故に、それを前にして、ご当人・家族はもちろん弁護団、知友人たちが事態の把握にとまどった様子、

6 その最初の落着が、和解への糸口であったこと、

7 拝金主義の元凶=カネは、人の想像力が及ばない極限的な虚実のドラマ性さえ創作する天才劇作家であり、その怖さを見せ付けたこと、

8 何故、話し合い→決裂→告訴という回路がなかったのか、

9 事件化は、研究のムシのような学者に対して、会計係の兼務を求めたのかどうか、別口座であれば問題にならなかったのか、

101 「相手」「敵」「権力」の正体、事件性を帯びて突如派生したアクシデントの背後には、誰が、どんな意図と力で、どのような経路をたどって、表面化させたのか、

11 そもそも「北大地震学者告訴事件」とは、何であったのか。

一審判決後、事件の問題点など、1部=概論、2部=総論を期待しています。

当初、10数人に事件発生を送信したが、その〆の送信の意味でも、第1部=概論編だけでも読ませたいし、欲しいですね。興味を持つ人は、総論へと読み進むでしょう。

11506/12/7
「民事和解」の報告を拝読しました。

「多少の落ち度」はあったかも知れないと認め「刑事責任」とは切り離して「民事」を解決したことは正解だろうと思います。

弁護士が「何が大切か」をよくわかっておられるはずです。

11606/12/8
通信をお送り頂きましてありがとうございました。

拝見するとまたまた怒りがこみ上げるのですが、ご本人は不思議に穏やかで澄み切った雰囲気さえ感じます。最終陳述の部分では、涙が出そうになりました。

島村さんの深い洞察力にはいつも感服し、人生観に共鳴してきました。でも、確かに、一生懸命に研究に取り組むあまり、ずる賢くなるための配慮が足りなかったのですね。その点が悔やまれます。

地球科学のある研究者が語ったことですが、「真剣に研究に取り組んでいたら、ずるいこと(or悪いこと?)をしようなんて考える暇はない」というのです。本当にその通りと思います。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。

11706/12/8 編集部
ありがとうございます。

判決については予断を許しませんが、多くの方に知っていただけただけで、島村もうれしいはずです。新聞報道のせいで、最初は「悪い学者の犯罪」とされていたのですから。

11806/12/5 編集部
いろいろと送信実験をした結果、これまでの「裁判通信」を「wordのrtf(リッチテキストファイル)」で保存することにしました。

いままでsimple textやJeditのファイルで送った方々で、もし読みにくいようでしたら、このword rtf版でまとめて送り直します。

wordは好きずきとは思いますが、ポピュラーであり化けにくいとわかりました。

また最初から読み直したい方もいらっしゃるかもしれません。「word rtf版を送れ」とご一報いただければ、すぐ送信します。簡単な話ですので、どうかご遠慮なく、お申し付けください。

島村英紀の裁判通信」の目次へ
ノンフィクション・島村英紀の家宅捜索・逮捕・連行劇
ノンフィクション・島村英紀の獄中記
海底地震計・海底地震観測とはどのようなものなのだろう
悪妻をもらうと哲学者になれるなら:海底地震学者は「哲学者」になれる
島村英紀のホームページ・本文目次に戻る
島村英紀が書いた「もののあわれ」

誰も書かなかった北海道大学
私を支援してくださっている奈和浩子さんのホームページ



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送