島村英紀の裁判通信・その25
(2007年2月3日に配信)

応援メッセージ part 5)



判決前後から控訴断念まで、みなさまからたくさんの応援メールをいただきました。

すべて島村に届けました。すでに彼が書いているとおり、四面楚歌の中でどれほど励まされたことでしょうか。私たち編集部の4人も同じ思いです。

このようなメールをいただけたから「裁判通信」を続けることができました。編集部解散を前に、その温かいご声援を紹介します。
編集部

<判決前夜>
14807/1/11
いよいよ明日ですね。無罪を確信しています。まともな道理が通用しないようでは、いよいよこの国が破滅に向かって暴走しているとしか言いようがありません。

色々な意味で、「戦後」が「戦前」に変容しつつあるのを、多かれ少なかれ誰もが感じています。学問の自由への卑劣な弾圧に組みするような判決だけは避けてもらいたいものです。

島村先生には、健康にご注意なさるよう、宜しくお伝え下さい。

14907/1/11
いつも島村裁判通信をお送りいただき、ありがとうございます。とくに島村自身による逮捕拘留・拘置体験記は、たいへん面白く、ためになりました。あまり役だって欲しくはありませんが。

明日はいよいよ判決ですね。札幌に行ってらっしゃるのでしょうか。無罪判決を期待していますが、日本の裁判官もあまりあてにはできません。

15007/1/11
いよいよ明日ですね。裁判官が素直に判断すれば無罪しかありえないと思っています。吉報を祈っています。

<判決(2007年1月12日)>
15107/1/12 太田克亮
懲役3年執行猶予4年。起訴状丸呑み不当判決!
15207/1/12 編集部
「懲役3年、執行猶予4年」
1月12日、札幌地裁で島村英紀に対し、上記の判決がありました。
15307/1/12
判決が出ましたね。残念な結果です。
15407/1/12
マスコミが結構来ておりまして落ち着くまで予想以上に時間がかかってしまいました。申し訳ございません。判決ですが、懲役3年で、但し執行猶予4年というものでした。明日から2週間以内に控訴することが可能ですが、今後の予定は未定です。
15507/1/12
判決速報有り難う。
15607/1/12
残念です。

あなた方からいただいた今までの資料、大変客観的でありました。

それを読んだ限り(精読はしませんでしたが)無罪だと思っておりましたが。

控訴するべきだと思いますが、体力、資金力が問題ですね。
15707/1/12
ありがとうございました、気にしていました。
そうですか、でもやはり納得できません。
158 07/1/12 編集部
要旨などはいずれ手に入れて送ります。

どうするかは島村が考えること。むずかしい話です。
15907/1/12
こちらこそ本当にありがとうございました。皆さま大変にお疲れさまでした。

島村さんがどうされるのか、確かに難しいですが、どうされるのであっても、私たちは一番の道を目指して、お手伝いしたいと思います。といいながら、何もできなくて、ひたすら皆さまのお力に頼っています。今後ともよろしくお願い致します。
16007/1/12
なんていうことでしょうか!
16107/1/12
危惧していたとはいえ、ひどい判決だ。

判決文を読んでみないと、何処が犯罪に該当すると裁判官は認めたのか判らないが、裁判で明らかになったあの内容で犯罪が構成されると認められてしまうと、費用を分担した共同研究を初めとして、従来と違ったやり方で研究を進めることは、危なくて何もできなくなってしまう。

それに、懲役3年とは、執行猶予のつくぎりぎりのところではないか。やはり日本は司法までおかしくなっているといわざるを得ないようだ。
16207/1/12
想定に近い判決だった。警察事案ではなく、検察事案なのだから。裁判所もその点では、権力に近い存在。よほど度胸が据わっている裁判官でない限り、無罪判決を出せば、その後の出世に響くから?。いわば、検察とのなあなあ判決だ。

島村君と弁護団がどう動くか、注視しておこう。願わくば、徹底的に闘って欲しいものだが、いろいろあるのだろうから。

でも、とりあえず島村君の身柄は拘束されないわけだから、北海道で今晩あたり一杯やれることだろう。

16307/1/12
島村裁判の判決速報が大学の研究室に転送されてきました。

想定内とはいえ、残念な司法判断でした。法の理性よりも権力による排除の論理に司法が屈したものです。

上告するかどうかを含めて、今後のことについて議論があることでしょうが、島村さん本人の意向が優先されますね。収監されないにしても、4年間国家の監視下で行動の自由を狭められることは居心地よくないに違いありません。何か協力できることがあれば仰せ付けください。

16407/1/12
初めてメールさせていただきます。判決は、本当に残念です。

島村先生とのお付き合いは、まだ駆け出しのころからですので、かれこれ30年近くになります。

判決がどうであれ、先生が“人を騙す”などということは絶対にありえません。先生のお人柄を知る人間の一人として確信しています。

ただただ何もお役に立てず、申し訳ない気持ちで一杯です。せめて先生と酒でも酌み交わしたい、と思っています。今後ともよろしくお願いします。

16507/1/12
残念という他に言葉がありません。
国家権力の壁の厚さは、裁判官といえども破れないものでしょうか。でも、理屈に合わない検察の主張の理不尽さと、こちらの主張の正当性は、歴然と残っています。

今後の方針については難しい選択を迫られるでしょうが、島村君がどの様に決定されようとも、この正当性に変わりはないと確信しています。ひとまず十分休養をお取りください。

16607/1/12 
無念です。悔しいです。なんなんだと思っています。

私たちは、いつまでも一緒に歩きます。

16707/1/12
判決の理由が解りましたら是非お知らせ下さい。また、この件は北大とは無関係なのでしょうか? 誰が原告で誰が被害者なのか? 国有財産の売却だから国が原告なら、北大との和解の意味は? 

なんとか弁護士から理由を聞き出して頂けないかと願います。

16807/1/12
昼に道新のHPを見てがっかりしました。島村さんはじめ皆さんのお気持ちを思うと言葉もありません。身体に気をつけてください。通信をお待ちします。

16907/1/12
「執行猶予」がついたとはいえ「懲役3年」とは許せませんね。

島村氏は気力を失っていないようですので応援してあげてください。

ところで周防監督が最新作『それでもボクはやってない』で「冤罪を生む裁判制度への怒り」を撮っているようですね。観たいと思っています。

17007/1/13 編集部
私たちは、なにもできませんでしたが、ひとつだけオヤッと思った記事が出ました。

北海道新聞の速報記事に
「この事件では北大が二○○五年四月、業務上横領の疑いで島村被告を告訴。検察側は島村被告による金銭の個人流用がなかったことなどから、昨年二月、詐欺容疑で逮捕、起訴した。このため被害者は北大からベルゲン大教授に変わった」
という個所を見つけました。

この書き方は初めてで、「通信」で何度も何度も繰り返してきたことなので、もしかしたらとの気持ちになりました。

17107/1/14 島村英紀
じつに迅速な通信速報の手配と、皆様からの、あたたかい言葉をありがとうございました。

こちら側が提示した争点に、ほとんどまともに答えてくれなかった裁判所には(弁護士ともども、大いに)不満を持っています。

しかし弁護士からは、廊下に待っているメモ帳片手の(驚くほど多い)記者たちと、裁判所の門で待っている(これも札幌中のカメラを集めたのではないかと思われるほどの)テレビカメラやデジカメ片手の記者たちに対しては、「しゃべるな」「なにか言ったら執拗に食い下がられる」「検事はその記事や放送を見て控訴の材料にするから」などなど、と釘をさされていたので、ほとんど話せませんでした。

一方、検察庁の次席検事と北海道大学の例の副学長は、得々と、それぞれ「勝利の」発表をしたようです。

こちらの言い分を主張できる機会だったのですが、まあ従うことにしました。(このどたばたも後に書くであろう「手記」の重要な一頁になるでしょう)。毎日の真野記者だけがきちんと書いてくれたようです。

控訴するかどうか、この2週間、打ち合わせたり、考えたりします。そのことについて、19日金曜の16時に、弁護士と打ち合わせませすので、今日午後、いったん上京しますが、また札幌に来ます。


17207/1/14
ニュースで公判の記事を読みました。残念でなりません。

なにかお手伝いできることがあればお申し付けください。「裁判通信」を参考に、経過を記載したホームページを製作する、などは時期尚早でしょうか?
17307/1/15
とにかく、詐欺事件で被害者に相当する人が「騙されたとは思っていない」と証言しているのに、有罪であると言う前代未聞の判決です。

こちらも、「騙していない」と言う決定的な証拠は示せなかったわけですが、仮にそれがあったとしても、結果は同じだったろうと想定が付きます。

国家権力の壁は、裁判官といえども(余程勇気がないと)崩せないという、よい見本となってしまいました。判決から2週間以内に控訴するかどうかを決める必要がありますが、島村君と弁護士団で検討中です。

また、検察側が控訴する(高裁の担当裁判官によっては更に条件が悪い判決が出る恐れが大という畏れもあります)可能性も消えていません。

編集部としては、ここ暫くは情勢を見て、条件が出そろった段階で、今後の方針を立てることにしています。その時には、またいろいろご協力をお願いすることがあるかも知れませんが、宜しくお願い致します。

17407/1/24
いろいろお世話さまです。ご心労お察し申し上げます。

お忙しいことと思い、弁護団のご奮闘を期待し続報をお待ちしております。

保釈を却下し続けた裁判長ですから、あるていど予測はしておりましたが、あまりにも重い判決にあきれております。

同時にいくつかの報道を見ながら、もう少し事前に(知り合いの記者などに)真相を伝えておくべきだったかな、などと反省したりしています。

私としてはささやかなメディア(インターネット新聞)を持っており、少し落ち着きましたらご相談させていただきたいと思っております。

それでなくても厳しい時候の折、皆々さまお体にお気をつけください。

よろしくお願いいたします。

17507/1/25
判決文をお送り頂きありがとうございました。予想したとおり「天動説」の宗教裁判だと思います。

測定器を作るのに国の金が使われたから大学のものである、との決め付け、島村君が請求書を送ったのが、だましの根拠だと言っていますが、それ以前の寄付金については黙殺されており、国際的な共同研究はどうすすめられるかなど現場の流れを無視した論理展開は、稚拙極まりない裁判だと思います。

立ち上がりが分かりませんので、なぜこんな茶番劇が始まったのか、北大は何を問題にしたのか、知りたいところです。

それにしても、裁判費用は被告負担とは、被害者は日本国なのでしょうか? なんとも醜い国ですね。

17607/1/25
判決文、ありがとうございました。

この判決文を読むと、裁判をする必要は最初からなく、検察官主張をそのまま認めているだけで、裁判官はいったい何を聞いていたのかと思います。

とくに村井証人について、「同人にはなんら虚偽供述をする利益もうかがわれない」とか、地震計は単に部品の寄せ集めで、「著しく価値が上がったとはいえない」とか、自分の勝手な思いこみで推論している。

日本の裁判というのは、昔のお白洲で、御奉行様が調べるのと対して違わないということは、うすうす分かっていましたが、あらためて、ひどいものだと実感しました。とくにひどいのは裁判官で、お上の機関、国家の治安を維持する機構としか自分たちを考えていないのだと思います。

それにつけても、いま上映中の周防正行監督「それでもボクはやっていない」は素晴らしい映画です。

おそらく島村君が体験したのも、警察での取調べから裁判にいたるまで、ほとんど同様のものだったはず。

もちろん、映画は痴漢の冤罪事件ですから、警察、検察での取調は、島村君の場合はもう少し紳士的だったろうと思いますが。

たぶん、みなさん見ておられると思いますが、是非、ご覧になることをお奨めします。自分が警察につかまったときの参考にもなります。今後ともよろしく。

17707/1/26
どうすべきか、意見は出そろったのではないでしょうか。

まとめてみます。

1 この判決は、検察が控訴しないための裁判長苦心の作である。無罪はもちろん懲役や執行猶予が2年なら、確実に検察が控訴する。島村君の行動に実害がないのだから、この辺で手を打ちなさいということだ。

2 「無罪」が目標になるが、検察事案だから「無罪」はありえない。せいぜい執行猶予が3年になる程度。その程度なら控訴は無駄である。

3 決定的な物的証拠を出せないかぎり、高裁で「上告棄却」の門前払いになる可能性が高い。「だました」のが罪に問われたのに、「だましていない」という証拠が出せなかった。

「研究費としての合意があった」と、ミエルデをもう一歩追及すればよかったのに、「個人的にはだまされたと思っていない」で止めてしまった弁護団のミス。これらの条件を勘案しての妥協は仕方がない。というより、むしろ、最善の選択だと思う。

4 控訴して札幌高裁にいくと、担当は「有罪乱発」で有名な裁判官になる。この裁判官は、一審での執行猶予付きを実刑にしたり、国の意向を汲んだりする判決が多いと評判の裁判官だ。担当裁判官が想定されてしまい、その判決内容も予想がついてしまうというのは、司法の現状がいかにひどいかということだ。

またこちらが控訴すれば、同時に検察も控訴する。この場合、刑が重くなる可能性もある。

5 「迷うのなら控訴しなさい。あとで後悔するより、よほどいい。また控訴は、その先、いつでも取り下げられる」「意地でも控訴したいが、メリット・デメリットがあり、島村英紀に任せる」などは逃げ口上である。

6 島村君の意見を聞いてもらえる唯一の機会が「判決直後」だった。大勢の記者が集まりぶらさがった。「記事になる・ならない」は別にして、島村君の「気持ち」が伝わる機会だった。

弁護団も、普通なら記者会見を設定する。でもしなかった。気持ちはどうであれ、島村君も弁護団に従ってしまった。弁護団は「検察を刺激したくない」が理由だった。つまり彼らは、初めからこの程度(執行猶予さえ付けば)でよしとしていた。

悔やんでも過去にはもう戻れない。やってしまったことは、きっぱりあきらめることだ。忘れてしまうことが肝心。

7 控訴せずに声明を出してもメディアの反響は良くも悪くもどちらもない。報じられるのは「控訴せず、有罪確定」というだけ。控訴した上で声明を発表するのがいいのでは。声明を報じてくれる可能性もある。

8 執行猶予付きとはいえ安楽な暮らしをすべきと思う。しかし悔しい思いは一生続くかもしれない。憲法判断で最高裁まで持ち込めるような弁護士を雇い自らの頭脳を「地震」から「裁判」に向けて、「趣味」として裁判を続けるのもいい。「趣味」ならたとえ敗れても悔いは残らない。家屋敷を売り飛ばし数千万の金を用意すれば、逆転弁護士は捜せる。

<控訴断念(2007年1月26日)>
17807/1/26
そうですか、とても悔しいです。

昨日頂いたメールを拝見して、認めるのも控訴も、共に苦しい選択であることに、改めて心を痛めておりました。

全く誰もがハッピーでない(ご本人の他にベルゲン大、北大、そして顔の浮かぶ彼らのこと)このような事態を招いて、やはり事態を実際に動かせるのは裏の力しかないのでしょうか。またのご連絡をお待ちします。

17907/1/26
あまりのことに気抜けしておりました。

これからのご研究のことを考えると、裁判に時間を費やすより執行猶予に甘んじるのがいいというご判断でしょうか。先生のお言葉をお待ちしております。
18007/1/26
いろいろお考えの上控訴断念になったのでしょうが、どれほど無念だったことか。
18107/1/26
メルマガ、いつもありがとうございます。

すごいタイミングで「それでもボクはやっていない」という映画が封切られましたね。これは司法の問題ですが。

ただ島村先生の件に関してはメルマガに指摘されていたように、地震学会の動きや1月15日に出された測地審議会の答申「地震予知はうまくいっている」等を考え合わせると個人で戦うには分が悪いかもしれません。研究費を稼ぐためにそこまでする、ということはたぶん理解されないでしょうし。
18207/1/26
『ひとりで立ち向かうには、あまりに大きいのが、国家』でありましょう。

20代、30代でもあれば・・でしょうし、あるいは、また正対する理由、論理があればですが、今回の場合、賭けるには、どこか、相手方、判事、検察ともに、「『目外し』的様相」、感触が否めません。斜に構え、本気で拝見していない者が云ってはいけないのですが、どこか、判決事由をいそぎ拝見し、そのように感じ、反抗の斧を振り上げるにせよ、非常に難しく感じたのでした。

(きたねえ、連中だ!)

本人のお気持ち、お側においでの方々、察してあまりあると存じます。ほかに表現なし。日本的表現に逃げます。『どうぞよろしく』・・です。ひたすら、お励ましください。

18307/1/26
まとめを読んでから、14時過ぎにどうにも机に座っていられなくなって、散歩して来ました。

悔しいし、残念ですが、私の生き方から判断すれば、やむを得ぬ決断だと敬意を表します。裁判では結局負けてしまったけれど、未だ人生で負けたわけではありません。それに、裁判の経過の中でも学者としての誇りは十分保てる所までは獲得しているし、むしろ、島村君の「学者としての良心」に対する評価は後生に於いても高めた筈です。

戦いを継続するも良し、研究の新しい場を求める活動を開始するも良し、また両方に力を注ぐも良しですが、一段落したら(できれば何事にもとらわれず、総て片手間でやるつもりで)しばらくのんびりと英気を養うことをお勧めします。

数年前に飲んだとき、「後1、2年(だったかな?)で定年になるので、今迄の研究体制の後始末と今後研究をどうするかの準備を始めなくてはいけない」と話してくれたことを憶えています。あれ以来忙し過ぎたのではないでしょうか。

更に、予期していなかった今回の騒動があり、如何にタフな島村君でも、自分では気がつかない所で心身共に変調をきたしている畏れ、が無きにしもあらずでしょう。その方が心配です。


18407/1/26
ご連絡ありがとうございました。

ご本人をはじめ皆様の悔しさを思うと胸が痛みます。結果は残念ですが、私の思いは何も変わりません。従前通りお付き合いいただきたいと願っています。

これからもよろしくお願いいたします。

18507/1/26
控訴断念とのこと、彼はさぞかし悔しい思いをしていることと思います。

想像するだけで涙が出てきます。

18607/1/26
控訴断念にはびっくりしました。

本人はどう考えて決断されたのかわかりませんが、裁判費用はどれだけいるのか知らないため、今日知り合いの弁護士に聞きました。

刑事訴訟の時はそんなにかからず私設弁護団でも百万円程度ではないかとのこと。特に詐欺事件で国が相手なら、疑わしきは罰せず、の原則があり、こんな曖昧な事件が有罪になる訳がない、とのこと。

それなら、カンパして裁判費用ぐらい作れるのではないかと思い、その提案をしようとメールを開けました。ほんとにこれでよいのでしょうか? 

18707/1/26 編集部
いつもありがとうございます。数日中に、島村が詳細を報告します。

悔しい気持ちは本人が一番です。

ここ数日、私たちもいろいろ考えました。

司法記者経験のある東大新聞OBは、「検察に控訴させないための裁判長の配慮である」ともいっていました。弁護団は「実刑を阻止する」ことに集中していました。しかも、「横領」の問題ではないのに、「だましていない」という証拠(証人)を出せませんでした。また札幌高裁にいったとき、どの裁判官の担当になるかも検討しました。

私個人は、ノルウェーの大学の事情に、島村が乗せられてしまったということだと理解しています。彼らが石油会社から研究費を引き出すために、「島村の機械を買った」という証拠が欲しかったのです。しかも彼らが巧妙だったのは「実際は研究費であると合意していたのに文書には残していない」のです。

これは「学者バカ」(差別用語ではなく擁護のつもりで使っています)といわれても仕方ないことですが、そんな世間に疎い人たちが日本の科学を支えているのだと思います。島村はこの悪意の存在を認めませんが。

なおノルウェーの話ですので、費用はすでに数百万円かかっています。「家を売ってもやるか」というところまで話し合いました。


18807/1/26
有罪のまま、というのはほんとうに残念な結果ですが、これからのご活動を考えての御英断なのだろうと、無知ながらに推察いたします。

どちらをお選びになっても大変なご苦労だとおもいます。しばらくは、どうぞ皆様も休憩なさってくださいますよう。せめて、今後島村先生と同じ目に遭わされる方が出ないよう、なにか改革がなされるといいのですが?。

18907/1/26
島村さんの最終決断をお知らせいただきありがとうございました。

無念の思いは島村さんが最も強く感じていることでしょうが、我々支援者にとっても、司法の暴挙に何ら反撃できなかったことは残念なことです。

しかし、権力による「知の排除」への闘いは、法廷での不毛な消耗よりも、むしろ「知の世界」で名誉挽回に努める方が生産的かもしれません。執行猶予期間に行動の自由はある程度制約されるでしょうが、今後の島村さんの「地震学者」としての仕事に期待しましょう。

19007/1/27
残念な気持ちです。しかし、我々はどうがんばってもプレーヤーではないのですから、仕方ないでしょう。

私は、隣の家と境界について20年の裁判をやりました。民事ですから、今度のこととは違いますが、あれは精神的に草臥れます。よほどタフな精神を持っていないと続けられません。何度も担当裁判官が変わりましたが、彼らは法理論よりも、主観、第一印象でものを判断する人種だと言うのも分かりました。控訴しても、裁判官のあたりが悪ければ、負けです。

悔しいですが、妥当な判断のように思います。私よりは若いといっても人生、既にラッキーセブンの後ですよね。


19107/1/27
これで終わり等という気持ちはこれっぽっちもありません。

只、ただゴクロウサン! おつかれさんでした!

まだまだ厳しい日々が続くでしょうが、躰には充分ご留意下さい。

次の文章を月曜日に各地へ発送します。デハ又。

【島村さんの控訴断念について】
1月27日のマスコミ報道で既に皆さんご存じのことでしょうが、島村さんが控訴断念をしました。丁度判決文をお届けしようと思っていた矢先のことでして、我的にはソッカ!と言う想いが致しました。テキらの悪辣非道、理不尽、不条理な仕打ちに心底怒りを覚えながらも、残された時を思えば、「楽になってヨ! シマムラサン」と言いたかったのです。ジツワ!

東京グループからの文章にもありますように、これからは研究者に戻って本来の姿を取り戻して欲しい。邪魔された時を取り戻して欲しい。そして、それこそが奴らに対する復讐であり島村英紀の落とし前の付け方なのでしょうから。

今後はゆっくりと休んで等と言う気持ちはありません。研究活動、文筆活動の再開こそが島村さんにとっての唯一の癒しになるのでしょう。何せ「地球の島村」なのですから。

今後何をするにも執行猶予中、が障害になると思います。めげずに懲りずに頑張っていって欲しいと思います。

19207/1/28
無罪判決を期待しつつも、権力側の落としどころとしての有罪判決を懸念していましたが、その通りになってしまい、無念としか言いようがありません。 また、今回の事件化そのものの理不尽さに腹が立って仕方ありません。

島村先生の心中や察するに余りありますが、今はお疲れ様でしたとだけお伝え下さい。編集部の皆様もご苦労様でした。

19307/1/30
島村先生の裁判は残念な判決でした。控訴断念も残念な気がしますが、島村先生には良く考えられた上のこととお察しします。貴兄はじめ友人各位やご家族の懸命なサポートも今回の本当に馬鹿げた「詐欺事件」に通じなかったようです。本当にご苦労さまでした。

思い返しても本当に不思議な事件で、当事者となった島村先生は多少の落ち度はあったにしてもとんだ濡れ衣の想いでしょう。最近の日本の司法も安定さを欠き、周囲を見過ぎた判断が多い気がします。どうも引っ掛けられた印象がぬぐえません。

島村先生はもちろん貴兄はじめサポーターの皆様に心からご苦労さまと申し上げます。 地震予知をビジネスにする輩に憤りを感じたままですが。

19407/1/30
彼の挨拶を読んで、「国家権力の実態」を見る思いがしました。

また、彼には、傍らにいる者としては、悲憤慷慨、悔しさいっぱいの気持ちなのですが、残された時間を考えれば、あなたはそれだけではやって行けないのでしょうね。よくここまで気持ちを整理されたと感心するばかりです。

ところで、インターネットを利用した闘いは賛成です。インターネットというものはすごいものですね。現代技術の一つとして生まれたものが今や文化になっています。しかも一般庶民が、こうして、権力に歯向かうための武器として使えるものに。大いに活用しましょう」と伝えました。

19507/1/30
ご本人に何かメールを送ろうかと思いましたがまだやめておきます。

ホームページの文はなんかまだカッカしている感じ。文章は少し寝かせた方が良いのになあ・・・。

裁判通信、ありがとうございました。

やりきれない気持ちでいっぱいですが、これが日本の現実と受け止めるしかないですね。

インターネットは自由といいながら、不特定多数の人が悪意を持ってみている場でもあります。島村先生があまりかっかし過ぎないように、編集部の皆様で時にはガス抜きもしてあげてください。

最後に奥様はじめご家族の心労は大変なものだったとお察しいたします。

どうぞお体に気をつけて、と機会があればお伝えください。それでは。


19607/1/30
本当に残念な結果でしたね。なんと申し上げてよいのかことばがありません。

労働争議や「えん罪」事件の裁判を数多く聞いてきましたが、ほとんどが「不当判決」で終わっています。それでも多くの当事者はそれなりに誇りと意義を感じていました。

私自身も永い公務員生活の中でいやな思いや、一つ間違えが刑事罰になるような危ない橋を渡ってきましたが、渦中にいたときも「国民のため」の事業を進めてきたと自負してきました。しかし、今回の場合は「詐欺罪」で、島村さんの名誉を全くつぶすものであり、苦渋の度合いは測りしれず深く深く同情致します。

今回の判決は、研究者の自由、創造性、情熱を無視したものであり、権力者や官僚を威張らせることがあっても、学問の発展に悪影響を残すとしか思えません。陰に陽に横たわる障害
は途方もなく大きいかもしれませんが、地震学者として再起されることを願ってやみません。そのことが判決の不当性を示すことにもなると思っています。

これまで支援活動を進め、情報を送ってくださった方々に御礼申し上げます。

19707/1/31
教授の「ご挨拶」を読みました。憤怒の思いが伝わってきます。

この状況では、控訴を思いとどまられたのが、正解かなと思います。日本の司法界がおおかた信頼できない一般状況の上に今回の不当な判決ですから、上告して真実が明らかにされる保障はありません。

裁判所も懲役三年に執行猶予つき判決で、まあ我慢してくれみたいな感じ、検察もこれで辛うじてメンツを保ったつもりなんでしょうか。学生時代、クラスメートと一緒に松川裁判事件に関わっていたのをまざまざと思い起こします。

教授が誇りを失うことなく、一層強い意志で研究者として今後も歩み続けるとの決意を伺い心から声援を送ります。

刻々裁判情報を提供してくださって有り難うございました。

19807/1/31
島村英紀の小学校時代の同級生です。

これまで裁判記録を送っていただき、ありがとうございました。

昨年のはじめ以来、島村とは連絡をとらずじまいになっていますが、これからひと落ち着きしたら話をしようと思っています。

「通信」のおかげで、色々な事情が見え、今後も、そっと島村をサポートして行ける思いを強くしました。

重ねてお礼申し上げます。お礼が遅くなったこと、申しわけありません。

19907/1/31
いつも貴重なメールをお送り頂きましてありがとうございます。

腹の立つことしきりですが、今後もゆっくりと島村さんを応援していきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

20007/1/31 水野浩雄
この事件はまことに不可解なものでありました。そもそも刑事事件にして、このような刑罰が科されなければならない理由はありませんでした。民事訴訟では和解しているのに、なおこのような刑罰を科するというのは理解しにくいことであります。この司法の実態を国民一般が知るべきだと思います。

それとともに今回の出来事は、地震予知の流れと結びついて起きたと考えざるを得ません。地震予知に批判的な学者を標的にする、そのような行為がなければ、このようにまではならなかったでしょう。

しかしこれまでのところでは、それは事柄の性質の洞察にとどまり、事実にもとづく実証にはなっておりません。このことについては今後ひきつづき、あくまで追求するべきであると考えます。その真実が明らかになることは、単に地震の分野に止まらず、日本の研究体制のあり方全体に、大きな意義を発揮するでありましょう。

控訴の断念は、先生にとってつらい決断であったと思います。しかし私は、困難な中にも賢明な選択であったと思います。今後とも先生の健在を心から祈念するものであります。

またいつか、お目にかかるときを楽しみにしています。

20107/1/31
ところで、判決文と島村さんの所信、それに今回の新聞報道等に対する所見はもう少し考えた上で、後日、送信します。

今、佐藤優『獄中記』を読みながら司法が「権力による邪魔者排除」の具に堕していること、メディアが司法の判断を報道するにあたって、司法の世界とは別な次元で事の真相に迫ろうとすることなく、「権力の犯罪」に手を貸す結果になっていることなど、島村裁判と重なり合うことが多いようです。嘆かわしく腹立たしいことです。

20207/1/31 
裁判通信をお送りいただきありがとうございます。

新聞によって差はありますが、おしなべて形式的な面での評価になっていますね。実際に行われたことを現実感を持って想像したら、どこに犯罪性があるのか、どこに倫理観の欠如があるのか、分かるはずだと思います。

それにしても読売はひどいですね。

20307/1/31 
編集部ご一同様 心配無用。

送信済みという過去形の事実に、現状回復はない。「水の泡」という表現が、これほどまでに、鮮やかな表現に思えた記憶はない。だからこそ、逆に、後ろを向くことは無意味ではなかろうか。貴君達がとりうる態度は「謝罪」「前便削除」「再送」で十分。気にするなということ。

これまで、どんなに気を遣ってきたことか、その事実を知る御仁達は、誰もが寛恕の念を抱くはず。

その他、自己の政治的、社会的立場性に関して、ある種の決断を下している者にとっては、痛痒だに感じないはず。

この件を理由=口実にして遠ざかる知友人がいるとすれば、それも良し。それまでの縁として、過去を振り向かないで、精算すればいい。プライバシーという内奥に潜むデリカシーといえども、固定的に考えなくてもいいと思う。

その領域にあっては、根底には、社会的政治的対峙線の引き方、位置、生き様が深く介在している。その介在分だけ自己責任において、侵害の事実と結果を引き受ければいいのであり、それ以上の責任を他者に転化するのは、了見が狭すぎる。

謝罪の心だけは肝に銘じて、何もかも、これまで通り、発信して下さい。

当方、「9条改憲阻止」で、元気に奮闘中!

20407/1/31
正門からの突入だけが戦いではない。かつて1960年の安保闘争のときは、南通用門から入ったではないか。

ベトナムでもイラクでも正規軍の戦闘だけで決着しなかった。君たちは正面切っての戦いでは敗れたかもしれないが、いろんな戦い方があることに気づいてほしい。専門家がこれだけそろっているのだ。知恵を出し合っていけば、大きな戦いができるはず。いくらでも協力する。

20507/1/31
了解です、お気になさらないで下さい。

そして、お疲れが出ませんように。

20607/1/31
ところで、最近のネット上の反応ですが、

たとえばWikipediaの「地震予知」の項目は、島村先生の主張に沿ってたっぷり書かれ、お名前はどう見てもわざと避けられています。逆に名指しで批判されている方もいらっしゃいます。

その後、編集合戦にならないところを見ると、多くの研究者の方々は島村先生の主張を支持しておられるのだと思います。

しかし掲示板でのナマの声は見かけません。これはmixiに流れたかな? と思ったのですが、なかなか関係した議論がなされているところを見つけることができませんでした。

島村先生ですらあのような目に遭うのでは、という恐怖で皆さんが沈黙しているのかもしれません。

しかし、そこまで用心されない方もきっといると思うのです。特に文系の方、科学哲学の方など。
20707/1/31 編集部注1 「Wikipedia」
「Wikipedia」とは世界でも爆発的に参加者が増えているインターネット百科です。誰でも自由に書き込みや訂正が出来るので、とてつもないホットな論争(会社ぐるみで参加しているところもある)を起こしていて、「編集合戦」とは、そのことを指します。

「Wikipedia」とは世界でも爆発的に参加者が増えているインターネット百科です。誰でも自由に書き込みや訂正が出来るので、とてつもないホットな論争(会社ぐるみで参加しているところもある)を起こしていて、「編集合戦」とは、そのことを指します。


208
07/1/31 編集部注2 「Wikipedia」に書かれている「地震予知」
「現実的な地震予知の可能性については、茂木清夫(東京大学名誉教授、前地震予知連絡会会長)が指摘した。すなわち、1944年の東南海地震の直前に静岡県掛川市で実施されたいた水準測量で、地震の直前に異常な変動が観測されたというものである。

これはその後、「東海地震は予知可能」との国の見解や世論へと発展した。一方で鷺谷威(名古屋大学助教授)など、その水準測量データや解釈に疑問を持つ科学者も多い。」

「地震調査研究本部の「確率論的地震動予測地図の試作版(地域限定?西日本)平成16年3月25日」(参考[1])では、東南海で50%の確率で30年以内に、地震が起こると試算している。東南海は500kmもの広大な地域を指す言葉であり、当たったとしても実用上は意味の無いことである。これは、現時点では地震の予知は不可能であると告白しているのと同様である。」

<地震予知連絡会>
「(略)委員の交代はあるが、構成機関は当該機関の組織改編などを除けば変わることはほとんどないといってよい。2005年現在の会長は、大竹政和東北大学名誉教授(在任2001年4月〜)である。歴代会長は萩原尊禮(在任1969年4月〜1981年3月)、浅田敏(在任1981年4月〜1991年3月)、茂木清夫(在任1991年4月〜2001年3月)と、その時代の地震予知研究の代表的な地震学者が会長に就任している。」

「各研究所では予算獲得の手段として、センセーショナルな予測をする傾向にあり、マスコミも不安を煽るために、データの一部分だけ報道し、丈夫な住宅に住んでいる人は全く心配が無いという現実を無視している。テレビが一部のデータを視聴率アップの手段として利用する場合が多いとの指摘もある。」

「地震を予知したと危機感を強調する地震学者や有名人、一般の人でも地震の怖さを強調する人がテレビに出演しているという現状があり、[メディア]が科学的根拠が乏しい情報を煽っている部分がある。地道に、地震のことを研究している多くの地震学者からは不満の声もある。」

なお,東海地震予知についての楽観的な記事も削除されず残っています。

「また近い将来に発生するとされている東海地震については、日本の行政・研究者が予知の可能性が高いと考え、観測体制・判定会の開催・警戒宣言の発令等の手順が明確にされている。1978年に地震学者の提言を受けて、国が「大規模地震対策特別措置法」を制定し、それ以来静岡県周辺で重点的に地震や地殻変動の観測が実施されている。東海地震は、世界で初めて「偶然ではなく狙って予知する」ことができるのではないかと期待されている。詳しくは「東海地震」を参照のこと。」

以上は「Wikipedia」から引用しました。

21007/2/1
通信で判決を大いに注目していました。

検察と裁判所はある意味で一体なので、有罪の判決を無理しても出すだろうと思っていました。不当判決にも、ネットで見た、札幌地裁の玄関を入る島村先生の写真は、元気そうだったので安心致しました。

控訴断念したこと、正直残念に思いました。正義は我が側にあると思っていたのですが。

しかし、これからの先生の人生を裁判闘争に捧げることが、真の幸せになるかどうかは個人が軽々に口を挟むことは出来ないと感じています。島村先生のご判断を尊重致します。

今回の裁判の結果で、日本の地震研究が、その闇の深さを増したように思います。東海、東南海、南海の地震の不安が高まるなか、島村先生が今後も、研究者として良心の声を上げられることを期待しております。

21107/2/1
島村英紀から最後のご挨拶」は島村氏の心情を思うとつらいものがありました。

しかしこのばかばかしい裁判にこれからの貴重な時間と莫大な労力を費やして関り勝訴を得たとしても失うものが大き過ぎます。

学問への気力を失っておられないようですので実刑ではなかったということで「よし」と考えて 新たな出で立ちをもくろんでいただきたいと思います。

島村氏を知る人はみんな応援者だったことに満足していいのではないでしょうか。島村氏の研究を待ち望む人々の期待に応えられるよう応援して上げてください。島村氏の活躍こそ「判決」への島村氏の答えになるでしょうから。

21207/2/1
間違えて送信してしまうことは、褒めたことじゃないけれど、誰でも犯しうる間違いです。私は気にしません。

21307/2/1
気になさらないでください。

21407/2/1
24号にわたる「島村英紀裁判通信」を通じて、司法が「権力による邪魔者排除」の具に堕していること、メディアが司法の判断を報道するにあたって、司法の世界とは別な次元で事の真相に迫ろうとすることなく、「権力の犯罪」に手を貸す結果になっていることなど、嘆かわしく腹立たしいことを痛感させられました。

しかし、そんな嘆きは、故なくして犯罪者に仕立て上げられた島村さんの無念に比肩すべくもありません。


それにしても、共同通信に長く勤務した畏友の一人が、かつての共同通信では入手した情報をどのような視角から伝えるかについて、配信の前に侃々諤々の議論をしたものだと語っていたことを想起するとき、権力機構から発せられる情報をそのまま伝達することが、あたかも公正中立の立場であるかのように自家中毒症状に陥っているメディアの姿は、堕落もここまできてしまったのかと情けなくなります。

今、佐藤優著『獄中記』(岩波書店)を読みながら、島村裁判と相通ずる「権力の罠」への対抗力について考えさせられています。

島村さんと同様に「権力の罠」(佐藤は「国策捜査」と言っています)に陥れられた佐藤優氏も、『獄中記』の中で、外務省で対ロ外交の情報担当官として自ら公表できない数々の事柄にメディアがその真相に迫り、結果として構造的問題の実相を解明することを期待していたようです。

記者個人としてそれに取り組もうとする者がいないわけではないでしょうが、そうした志向が活かされる場がいまや失われつつあり、敢えて組織から排除されるリスクを身に引き受けて真相に迫ることを断念してしまう構造が定着してしまっているようで、佐藤優がメディアにかけた期待は空しい「独房の期待」でした。通信の余録にある報道記事を読むにつけ、今やメディアの抑止力、すなわち権力による「邪魔者排除」を阻む力が萎えてしまっているということを痛感させられます。

しかし、権力による「知の排除」への闘いは、法廷での不毛な消耗よりも、むしろ「知の世界」で名誉挽回に努める方が生産的かもしれません。そのような意味で、「最後のご挨拶」の中で、島村さんが無念の思いを抑制しながら、「これからも、地球物理学者として、地震の被害を最小限に食い止め、国民の命や財産を守るために、いままで以上に、地震予知批判を(地震の正しい理解のために)続けるつもりです」と書かれていることに一縷の望みを託し、応援していきたいと思います。

執行猶予期間に行動の自由はある程度制約されるでしょうが、今後の島村さんの「地震学者」としての今後の仕事に期待しましょう。

21507/1/31 島村英紀に贈る七言絶句 

寄島村英紀前極地研究所長  鴎山 村内必典
     (七言絶句、下平声、八庚韻)

碩學不圖何被捕  碩學図らずも、何んぞ捕らえらる
緩刑雖有不堪情  緩刑有りといえども、情に堪えず
請看司馬遷蚕史  請う看よ、司馬遷の蚕史を   
天縦君才庶四轟  天縦の君が才、こいねがわくばよもにとどろせ

《通釈》 
大学者である君が図らずもなんと捕らえられた
執行猶予付きの刑であるとはいえ私は悲しみに堪えられない
宮刑に服し奮起し書き上げた司馬遷の史記のことを看てくれ
生まれながらにして勝れた君のことであるから、願わくばその才能を天下に轟かせてくれ

(2007年1月31日。元の漢字が使えないので略字になっているところがあります)

【地球物理学者・村内必典先輩の漢詩(最終版)は、その後、『学士会会報』2007-W(865号。2007年7月1日発行)、159頁に掲載されました。その画像ファイルはこちら

最終版

端正學人何被捕  端正(たんせい)なる学人、何んぞ捕らえ被(ら)る
下刑苛烈不堪情  刑を下すこと苛烈(かれつ)、情に堪(た)えず
請看不朽馬蚕史  請う看よ不朽の、馬(ば)が蚕史(さんし)を
天縦君才期大成  天縦(てんしょう)の君が才、大成を期す

端正=容姿態度がきちんと整っていること
下刑苛烈=懲役三年、執行猶予四年
馬が蚕史=前漢の歴史家司馬遷は宮刑に処せられた恥辱にたえ史記を書きあげた。蚕史は史記の異称
天縦=生まれながらに勝れていること、論 語子罕篇の「固より天これを縦にして、まさに聖ならしめんとす」による

《最終版の通釈》 
端正である君がなんと捕らえられた、判決は厳しくて、私は悲しみに堪えられない。
宮刑に服し奮起し書き上げた不朽の司馬遷の史記のことを看てくれ、生まれながらにして勝れた君
のことであるから、大成を期している。

みなさま、ありがとうございました。

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