教育出版の教師用指導書『伝え合う言葉』・1・研究編(上)(2002年3月発行)から
島村英紀「かけがえのない地球」の研究

中学校国語教科書のポイント

同書「教材の研究と学習への支援 学習への支援 」から

島村英紀の文章の表現上の特色

1:「問いかけ」や「語りかけ」の表現により、問題点の把握がしやすい。
2:問題点に対する説明が簡潔で、わかりやすい。
3:形式段落相互のつながりがつかみやすく、構成が平易にとらえられる。
4:原因と結果の対応が分かりやすく、なおかつ、生徒の興味・関心をよび起こす表現になっている。
5:地球物理学の識見が、生徒の知的好奇心を効果的に喚起する。
6:抽象的な表現もあるが、それがかえって生徒の考える力を引きだすものとなっている。

同書「教材の魅力」から

1:話題・題材

 わが国の環境教育は、一九六○年代の「公害」が社会間題化した中でスタートしている。したがって美しい環境に目を注ぐということよりは、「公害教育」(健康・生命・生活環境)に意識が向けられたという経緯がある。国際的には一九七○年にアメリカにおいて「環境教育法」が制定されたのが環境教育の本格的な取り組みであったといえよう。

 今日、我が国においても環境サミットが京都で開かれるなど、環境問題においては大変関心がもたれており、さまざまな関連図書、催し、体験の場の設定がなされている。

 文部科学省発行(発行当時は文部省)の『環境教育指導資料』(一九九一・新版は平成十三年度中に出される予定)によれば、環境教育の目的は「環境や環境問題に関心・知識を持ち、人間生活と環境とのかかわりについての総合的な理解と認識の上に立って、環境の保全に配慮した望ましい働き掛けのできる技能や思考力、判断力を身に付け、より良い環境の創造活動に主体的に参加し環境への責任ある行動がとれる態度を育成する」と記されている。

2:生徒との関連


 「総合的な学習の時間」においても、取り上げるべき現代的課題の一つとして「環境」があげられている。単に「公害教育」にとどまることなく、自然と人間とのかかわり、環境と社会経済や生活の様式とのかかわりについて言及しながら、環境について主体的に考え、判断力、行動力を培っていくための学習は今後ますます必要性を強めてくるであろう。そして、その学習の際には、中教審答申でも述べられているように、【環境から学ぶ】こと、【環境について学ぶ】こと、【環境のために学ぶ】ことの三点の視点を意識して各教科・道徳・特別活動と連携をとりながら計画実施していくことが大切であると恩われる。

 現在、小学校教育においても、環境についての教育はなされており、多くの学校で、さまざまな体験活動が行われていることも視野に入れ、授業を構想する必要がある。本教材においては、地球環境に、目分たちの生活が及ぼしている影響、地球の財産を自分たちがどのように消費しているか、といったことについて、わかりやすく、しかも四十五億年の地球の歴史に対して、人間の関わった二○○年という時間の対比があげられていることで、新鮮にかつ専門的に学ぶことができるようになっている。

 また、こうした内容的な面だけではなく、本教材は表現面においても、構成について・要約の仕方・例示の出し方など、学ぶ場を設定しやすいように工夫されている。

 生徒には、学んだことを活用させたい。そうした意味でも、内容面からも事象と原因をわかりやすく整理させ、構成・表現ともに平易に記された本学習は大変貴重である。

3:要旨

 長い地球の歴史の中で、ほんのわずかしか生存しないはずの人類が、科学や文化の発展の名のもとに自然破壊を繰り返してきている。

 しかし、最近になってそのツケが自分の身に降りかかろうとしている。それは、無尽蔵にあるわけではない資源の活用の問題、資源利用による副産物の問題、そして新製品として登場した製品の地球に与える影響の問題である。

 これら三つの問題に対する関心を喚起し、さらにそれらの原因を究明する中から、自分たちにできることは何か気づかせようとする作品である。

「地球は『地球の財産』だというべきかもしれません。」という部分からもわかるとおり、人類に課せられた大きな命題について考えていく必要がある。

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