『日本人が知りたい巨大地震の疑問50 東北地方太平洋沖地震の原因から首都圏大地震の予測まで』
サイエンス・アイ新書
「前書き」と「後書き」と「書評」と「読者からの反応」など

20011年5月下旬発売(本の奥付の発行日は6月8日)。ソフトバンク クリエイティブ株式会社
横幅が大きな変型新書版(横11.5cmと1.2cm大きい。縦は17.2cmで同じです)
本文211頁。ISBN:978-4-7973-6566-5。952円+税=1000円
その表紙(この絵をクリックすると拡大されます)



この本の目次

第1章 東北地方太平洋沖地震はなぜ起きた?
Q01:東北地方太平洋沖地震はどのようにして起きたのですか?
Q02:東北地方太平洋沖地震はなぜあれほど被害が大きかったのですか?
Q03:東北地方太平洋沖地震ではなぜこれほどの津波が起こったのですか?
Q04:東北地方太平洋沖地震では液状化現象はなぜ起こったのですか?
Q05:東北地方ではこれまで大規模地震はあったのですか?
Q06:なぜ群発地震があとあとまで続いたのですか?
Q07:今後、ほかの地域での地震が誘発される可能性はありますか?
Q08:東北地方太平洋沖地震は予測できなかったのですか?
Q09:東北地方太平洋沖地震が地球の自転に影響があったというのは本当ですか?
Q10:東北地方太平洋沖地震よりももっと大きい地震はありますか?
Q11:東北地方太平洋沖地震はほかの国への影響はありましたか?
第2章 地震はなぜ起きるのか?
Q12:地震はなぜ起きるのですか?
Q13:なぜ日本は地震大国といわれるのですか?
Q14:日本でいちばん地震が起きにくいのはどこですか?
Q15:なぜ震度とマグニチュードを区別しているのですか?
Q16:なぜ震度表示に「弱」や「強」などがつくのですか?
Q17:歩いている人や乗り物に乗っている人はどの程度の震度で地震とわかりますか?
Q18:発表される震度と実際に感じた揺れの度合いが違うのはなぜでしょう?
Q19:震源地から遠く離れた場所が、強く揺れたりするのはなぜですか?
Q20:震度5以上の地震は、どの程度の確率で発生するのでしょうか?
Q21:最大でどれくらいの震度まで考えられるのでしょうか?
Q22:余震はどれくらい続くものなのなのでしょうか?
Q23:同じ地域に大きな地震が何度もくるのはなぜなのでしょうか?
Q24:地震が多発し始めると、それは大地震の起こる前兆ということなのでしょうか?
Q25:地震と火山の活動には関係があるのでしょうか?
第3章 地震は予知できる?
Q26:地震予知はどこまで進んでいるのですか?
Q27:地震予知はどこが行っているのですか?
Q28:前兆現象としてはどのようなものがあるのですか?
Q29:地震予知は将来、どのくらいまで実現する見込みがあるのでしょうか?
Q30:地震予測の確率はどのように計算して公表しているのでしょうか?
第4章 地震情報や津波警報はどこまで信頼できる?
Q31:緊急地震速報はどうやってだしているのでしょうか?
Q32:緊急地震速報を知るにはどうすればいいのでしょうか?
Q33:一般向けの緊急地震速報は本当に有効なのでしょうか?
Q34:地震が起きる数秒前ではなく、もっと早く知らせられないものでしょうか?
Q35:津波警報がでても避難しない人が多いと聞きますが?
Q36:地震が大きいと津波も大きくなるのでしょうか?
第5章 これからどんな地震がくる?
Q37:東海大地震や東南海地震は本当に起きるのでしょうか?
Q38:すべての活断層で地震が起きるものなのでしょうか?
Q39:住んでいる地域の活断層はどうやったら調べられますか?
Q40:家の近くに活断層があった場合はどうすればよいですか?
第6章 地震はコントロールできる?
Q41:地震をコントロールすることはできないのでしょうか?
Q42:地震は人工的に起こせるものなのでしょうか?
Q43:地震のエネルギーを変換して利用できないものでしょうか?
第7章 首都圏(大都市圏)大地震は本当にくる?
Q44:首都圏を襲った地震にはどんなものがありますか?
Q45:次の関東大震災は本当に起きるのでしょうか?
Q46:関東大震災で地震と火事の被害はそれぞれどのように広がったのでしょうか?
Q47:高層ビルでは上のほうが揺れがひどいと聞いたことがありますが、本当ですか?
Q48:大地震のとき高層ビルは実際にどのくらい揺れるのでしょうか?
第8章 大地震にどう備えればいい?
Q49:大地震が起きたらまずなにをすればよいですか?
Q50:最低でもなにを備えていたらよいですか?


はじめに

 東北地方太平洋沖地震という、日本が近年経験しなかった大地震が起きてしまいました。このため東日本では大震災になり、津波による犠牲者の数は日本史上最大になってしまいました。また原子力発電所が地震の被害を受けて、世界でもはじめての「原発震災」が拡がりつつあります。

 この本は2008年8月に出版したサイエンス・アイ新書『日本人が知りたい地震の疑問66----地震が多い日本だからこそ、知識の備えも忘れずに!』を大幅に加筆したものです。2008年当時は中国で四川大地震が起きて10万人以上の犠牲者が出たことが、日本でも大きく報じられていました。

 『日本人が知りたい地震の疑問66』を出したあと、2010年にはカリブ海のハイチでハイチ地震が起き、マグニチュード7.0の地震でしたが直下型地震として起きたためと、国の政情が不安定で社会基盤が弱かったことで約32万人もの犠牲者を生みました。その後2011年2月にはニュージーランドのクライストチャーチで直下型地震が起き、7階建てのビルや教会が倒壊するなどして日本人30人近くを含む300人あまりが犠牲になりました。

 そして2011年3月11日。今度は北海道から関東までの広い範囲で震災をこうむることになった東日本大震災が起きてしまったのです。

 この地震はモーメントマグニチュードが9.0という、世界で近年起きた大地震としては最大級の地震でした。

 1995年1月に阪神淡路大震災が起きたあと、その年の年末に福井県にあるプルトニウム高速増殖炉「もんじゅ」で大量のナトリウム漏れが起きたときに、私は何人もの欧州人に「日本人は、すべての事故を天災のように避けられないものと考えているのではないか」と言われたことがあります。天災が少なく、責任観念が発達している欧州人にとっては、政府や動燃事業団がとった対策を静観しているだけの日本人の対応はかなり奇妙に見えたのです。かって欧州でも同様の事故が起きたのをきっかけに廃炉にした国が続出したからです。

 今回の東日本大震災での大被害。そして福島原子力発電所での事故。「あきらめやすい」日本人が、両方とも天災として受け入れてあきらめてしまうのではないか、と私は心配します。しかし、地震の被害、そして原子力発電所による被害、ともに天災としてあきらめる前に、知っていたり、考えたりすることがあるのではないか、と私は思います。

 この本に書いたように、東北地方太平洋沖地震は、決して日本史上初の、そして想定できないような地震ではありませんでした。また津波の犠牲者も、適切な警報が出される仕組みがあれば、あれほどの人的な被害は出さなくてもすんだのではないか、と考えます。

 この本の下敷きになった前の本は読者の関心を知るためのアンケートからはじまりました。編集部が「サイエンス・アイ新書」の読者に、インターネットで地震についてのアンケートを取ってくださって、約5000人もの回答がありました。

 その中の自由回答で私が衝撃を受けたのは「阪神淡路大震災経験者です。地震はいくら気をつけていても助かるときは助かりますし、ダメなときはダメです。悲しいですが」という記入や「人間がどんなに地震を研究しても大自然や地球規模の大きな力はいつ起きるかわかりません。運命と自然に身をまかせるしかないのです。とくに知りたいことはないです」というものでした。

 いや、そんなことはありません、地震について正しく知り、正しく恐れることが、地震から身や家財を守ることになるかもしれません。本当は、そう言いたいのですが、あいにくと私が研究してきた地震学は、まだ、皆さんに安心してもらうには、あまりに遠いものなのかもしれません。

 地震について、いままでなにが分かって、なにがまだ分かっていないのか、それを知ってほしいと思って、この本を書きました。


あとがき

   地震にしても、火山噴火にしても、また大雨による洪水にしても、人類が地球に住み着く前からくり返し起きてきた現象です。

 地球の歴史である46億年を1日にたとえれば、私たち人類が生まれたのは最後のたった1分なのです。つまり私たちが日本に住み着くはるか前に日本列島が作られ、地震や火山の噴火も何千回、何万回と起こりつづけてきているのです。

 たまたま人間が住んでそこに文明を作っていなければ「災害」は起きません。災害とは、自然に起きる現象と人間社会との接点で、ふたつが複合されてはじめて起きる「事件」なのです。

 人類の歴史で、あいにくと災害に対する備えは、いつも災害のあとを追いかけてきました。文明が発達するたびに新しい災害が生まれてきているのです。

 たとえば新潟地震(1964年)では液状化で五階建ての県営アパートが仰向けに倒れてしまいました。また宮城県沖地震(1978年)では、都市型の被害をはじめて生み、マンションで玄関の鉄のドアが開かなくなったほか、ガスや水がストップした都市生活がどんなに大変なものか、人々は初めて思い知らされました。またブロック塀や門柱の倒壊による死者が死者の半分以上もありました。どれも新顔の地震被害でした。

 それだけではありません。この地震で全壊した家1200戸の99%までが新しい土地に建っていた家だったのです。一般に古い家ほど地震に弱いのですが、新しい家が建っていたこの新開地に被害が集中したのは異例なことでした。

 2003年十勝沖地震では、北海道苫小牧市にある大型石油タンクが燃え尽きるまで燃え続けました。その原因は長周期表面波によるスロッシング(液体の共鳴)でタンクの蓋が破損したためだと考えられています。

 そして今回の東日本大震災では、原子力発電所が地震と津波の被害を受けて、原発震災という、いままでに世界のどこにも起きたことがない災害が起きてしまいました。

 この本に書いてあるように、いずれまた、大地震が日本を襲うことは避けられません。地震は、日本人や先住民族が日本に住み着くはるか前から、繰り返してきているのです。

 この次の大地震が日本を襲ったときまでに、地震についての知識をもっていたり、地震で起きる災害に備えをすることができれば、被害を少なくともある程度はくい止めることができるはずです。それが人類の知恵なのだと思います。

 そのために少しでも役立てば、とこの本を書きました。


 新聞・雑誌の書評と紹介

長周新聞」2011年6月29日(水曜)4面。「地震を科学的に知ること 自然と人間との接点で 気象庁の地震速報・津波予報の限界性 天気予報とは違う地震予知 歪んだ地震予知研究を批判 海底津波計の全国配置提唱」(その記事は)

「信濃毎日新聞」2011年6月26日(日曜)「くらし」面に紹介が出ました。(その記事は)

隔月刊誌『Jレスキュー(J-Rescue)』(消防・防災・レスキューの専門マガジン)。2011年7月号。イカロス出版。 "話題の最新メディアをチェック" 「東日本大震災がなぜ起こったのか? 地震科学者が地球のメカニズムを分析」 124頁。

2011年9月、全国学校図書館協議会発行の学校図書館速報版の「選定図書から」に紹介が出ました。(その記事は)

 読者からの反応

2011.6.3 「原発は”絶対安全”という神話を支える一端の担い手は、地震学会だったのでは

 たいへんわかりやすく、勉強になります。

 予知にかんする章も、まったく書いておられるとおりだと思います。しかし、地震学者で、ここまで明快に予知はできない、という人は、先生と石橋克彦さん、ロバート・ゲラーさんくらいではないでしょうか。

 新聞などで、地震学者が、「今回もある程度想定はしていたが、それが防災に反映されず、残念だ」などとおっしゃるコメントをみていると、唖然としてしまいます。

 原発は「絶対安全」という神話を支える一端の担い手は、地震学会だったのでは、という疑問すら抱いてしまいます。

2011.6.3 「84頁からの、原発の耐震基準の経緯は全く信じられない話です

 「日本人が知りたい巨大地震の疑問50」を本屋で発見、早速拝見しました。前著に比べ、東北地震を踏まえフルに書き直しをされており、読み応えがありました。

84頁からの、原発の耐震基準の経緯は全く信じられない話です。一番肝心の所に恐ろしいような不合理が存在する日本は不思議な国ですね。

50の疑問に分けられているのでわかりやすく、中一の孫に読ませてみようと思っています。

これからも良い本をお書き下さい。期待して待っています。

2011.8.9 twitter 「論争的内容をわかりやすく解説。現在の科学では地震予知は無理なことを丁寧に説明」

島村英紀著「日本人が知りたい巨大地震の疑問50」:論争的内容をわかりやすく解説。現在の科学では地震予知は無理なことを丁寧に説明。地震予知「大本営発表」の破綻後に予算確保策の「地震の確率」という「対応のしようがない数字」が登場する一方で電力会社はダム等の地震データを非公開と指摘。

2011.8.11twitter 「地震に弱い原発を放置し原発震災を誘発したことを見事に解明している」

飛行機で島村英紀著「日本人が知りたい巨大地震の疑問50」を熟読。国際的な水準にマッチしない気象庁を軸にする地震予知・確率・地震津波防災が、最大600ガルを「原発設計用限界地震動」とする地震に弱い原発を放置し原発震災を誘発したことを見事に解明している。読み上げ対応のEPUB版待望。

2011.8.11 「本当に開かれた科学的で自由な研究の上に、本当の防災の努力を積もうというメッセージが出されていると思いました」

「日本人が知りたい巨大地震の疑問50」を大変興味深く読ませていただきました。

大変深い内容をジャーゴンを使うことなく平明にしかも初出の難解な言葉にはルビまでふって最先端の科学的知見を説明し、今の地震学では何が分かって何が分からないかを明らかにしたうえで、日本政府と防災産業の硬直した姿勢が人災である世界で初めての「原発震災」を招いたことを示唆し、日本人の特徴である災害を「避けられない天災」とみなして本当の原因究明を怠る傾向を批判し、本当に開かれた科学的で自由な研究の上に、本当の防災の努力を積もうというメッセージが出されていると思いました。

内容が濃いので読み返すたびに新しい発見がまだ出てくる状況ですが、これをぜひ多くの人に読んでもらいたいと思います。

まずは、この好著をタイムリーに出版していただいたことに感謝を申し上げます。

2011.8.31 twitter 「島村さんの本が素晴らしいのは分からない事は分からないと書いてある点。相変わらず知的誠実さが貫かれている」

今回の島村さんの本は改訂版だが大幅に加筆してあり読み応え充分。中でも原発の耐震設計について触れてる章は必読。ここ読んだら取り敢えず日本中の原発止めておこうって気分になる。島村さんの本が素晴らしいのは分からない事は分からないと書いてある点。相変わらず知的誠実さが貫かれている。

2011.10.5 ブログ 「内容もたっぷり,しかも952円だぜ。安いぜ。気象庁の姿勢に疑問を持っておられる方なので,その辺もお勧めする理由」(ちなみに、筆者は女性のようです)

地震や地学の本を読むのがここの所趣味みたいになっていますが,その中でソフトバンククリエイティブから出ている「日本人が知りたい巨大地震の疑問50」(地球物理学者の島村英紀著)が秀逸。その本の裏表紙に「日本人なら知識で防災!」とデカデカと書いております。「地震について何か一冊読みたい」ときには、この本をお勧めします。図版たっぷりで質問に対して答えてくれる形をとっておりオールカラーで読み易いです。内容もたっぷり,しかも952円だぜ。安いぜ。気象庁の姿勢に疑問を持っておられる方なので,その辺もお勧めする理由です。

2011.10.9 ブログ 「島村さんのスタンスはこの本を読み進むと気象庁の「緊急地震速報」に疑問を投げかけている。と言うことは官僚派では無く私の好きな正義派と見た」

 原発の本と一緒に地震の本も買いました。「東日本大震災はなぜ起こったのか」という副題が有ったからです。
 著者は島村英紀氏、地球物理学者で大学教授。地震に関する著作を多数書いている。島村さんのスタンスはこの本を読み進むと気象庁の「緊急地震速報」に疑問を投げかけている。と言うことは官僚派ではなく、私の好きな正義派と見た。
  「緊急地震速報」は予知ではありません。最初の早く伝わるP波を感知し後から来るS波の到着時間を知らせるだけ。大地震だとP波が大きく後で来るS派を知らせても意味無しと言っています。
 地震学は永遠の学問かも?

2016.5.14 twitter 「地震に関する疑問についてをほぼ網羅しているのではないか。地震予知研究や緊急地震速報の怪しさとか人造地震というタブーにまで踏み込んで」

→いる点も、なかなか信頼度を高める材料となっている気がする。
「「活断層」とは、過去に地震を繰り返し起こした震源断層の一部が、「たまたま浅くて地表に見えているもの」のこと」(p.155)とすると、原発審査の意味って…。
日本でも12段階の改正メルカリ震度階級を使おう!

このほか、書店アマゾンでの読者評はこちらへ。


全国学校図書館協議会発行の学校図書館速報版の「選定図書から」 2011年9月
〈小学校高学年・中学・高校向き〉
日本人が知りたい巨大地震の疑問50
島村英紀・著
ソフトバンククリエイティブ
214p・18cm
定価1,000円
ISBN978-4-7973-6566-5

 東日本大震災とそれに伴う原発事故は、日本に暮らす人々に大きな不安をもたらし続けている。想像をはるかに超える災害に直面した私たちは、天災は「しかたがないこと」と半ばあきらめてはいないだろうか。

  地球物理学者である著者は、たとえ天災であつても地震について十分な知識を得て行動すれば、被害をより小さく抑えることができると訴える。また、震度表示が国際基準は12段階であるのに、気象庁では大きな地震のたびに基準を改訂したり、活断層がない地域でも大地震は頻繁に起こるといつた具体例をあげ、私たちが既に知つていると思い込んでいた知識の誤りを指摘する。

  本書は2008年に出版された「日本人が知りたい地震の疑間66」を大幅に加筆したもので、地震発生のメカニズムの基礎から、天災が人災に転じていく過程など、最新の研究事情がフルカラーの図版とともにわかりやすく説明されている。(C)


出版後に気がついた訂正(ミスプリント)


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