新刊: 『地震学がよくわかる−−誰も知らない地球のドラマ』 島村英紀著
(2002年9月30日初版発行、彰国社
(四六版、256頁、ソフトカバー、ISBN4-395-00691-4 C0044、1800円)
★日本図書館協会選定図書
(最新の版は、2003年1月に発行した第2版になっています)


(表紙。この絵をクリックすると拡大されます)



■ 目次 ■

序:科学を知ること

Part 1 : 地震学のミクロとマクロ
1:地震を待ち望んでいる人々
2:地震波三万キロの旅
 
Part.1の2節 『地震波三万キロの旅』の挿絵(奈和浩子さんによる) 
3:十日間、静かにして (内容:増えた地震観測の敵)
4:日本は地震のデパートだ
5:二つの旗のアゾレス諸島
6:謎の多いプレート境界

Part 2: 未知との遭遇
1:三〇倍大きな津波を生む地震
2:津波予報の泣き所
(内容:気象庁はオオカミ少年?)
3:ジェット機の敵は火山!?
4:日本でいちばん地震が多かった町
5:人間が起こした地震

Part 3:地震予知の下剋上
1:パークフィールドで「消えた」次の地震 (内容:地震予知のバラ色が消えた日)

Part.3の1節 『パークフィールドで「消えた」次の地震
』の挿絵(奈和浩子さんによる) 
2:地震予知「先進国」トルコの凋落、落ちた偶像
3:マルマラ海の見えない壁 (内容:トルコでの私たちの海底地震観測)

Part.3の3節 『マルマラ海の見えない壁』の挿絵(奈和浩子さんによる) 
4:心理学者の警告
(内容:地震予知の前兆証言は信用できるものだろうか)
5:ヨーロッパの地震国お国ぶり
6:古文書を研究する地震学
7:魚は地震を予知できるのか?
(内容:まだ寺田寅彦に及ばない)

Part 4: 地震計は進化する
1:世界最北の村
2:地震計の正しい置き方
3:地震は空中で起きる?!
(内容:震源決定の方法と問題点)

Part.4の3節 『地震は空中で起きる?』の挿絵(奈和浩子さんによる)

4:昔の地震計はなぜ巨大なのか
(内容:地震計の原理。どうやって感度の高い地震計を作るのか)
5:近視の地震計、乱視の地震計内容:なぜ地震学者は眼鏡屋の道具を持っていたのだろう
6:アラスカ熊と地震計
(内容:携帯型地震計の進歩)
7:都会を去った地震計、住み着いた地震計 (内容:地震計の知られざる用途)
8:北極海のUFOの正体

Part 5: 地震学のXファイル
1:海底地震計は耐圧容器が命
2:海底地震計は自力で沈下浮上する
3:地球の事件で地球を十一周
4:観測船の玉手箱

Part.5の4節 『観測船の玉手箱』の挿絵(奈和浩子さんによる)
5:観測船の板一枚下は地獄
6:南極へは盲腸を取ってから

Part 6: 苦悩と憂鬱の地震学
1:震度七は五〇年に一度
2:なぜ被害の帯が。しかし震度予測は難しい
3:誤解を招く活断層ブーム(内容:活断層が起こさない直下型地震は多い)
4:地震の洗礼を受けていない建物 (内容:東京の臨海副都心の高層ビルは大振幅の表面波に耐えられるだろうか?)
5:大地震の記録が足りない耐震設計(内容:50-60年前の地震記録を耐震設計に使う不思議)

Part.6の5節 『大地震の記録が足りない耐震設計』の挿絵(奈和浩子さんによる)
6:理学者と工学者の言い分
(内容:原子力発電所と地震)
7:また同じ建物をつくる悲劇(内容:地震は人を殺さない。殺すのは・・・)

Part.6の7節 『また同じ建物をつくる悲劇』の挿絵(奈和浩子さんによる)

後書き


 後書きから

 神戸市を見おろす高台にある神戸大学の構内には、阪神淡路大震災(1995年)で犠牲になった同大学の学生の慰霊碑が建っている。そこには39名の名前が刻まれている。

 この39名の学生のうち37名は下宿が潰れて死んだ。自宅から通っていた学生に比べて、下宿生のほうがはるかに死者が多かったわけだ。気の毒なことに、この下宿生たちは自宅生たちよりも弱い建物に暮らしていたのである。神戸大学では倒壊した建物はなかったから、もしこの地震が早朝でなくて昼間だったら、学生たちは死ななくてすんだかもしれない。

  阪神・淡路大震災では、古いままの木造の家が潰れて死んだ人が圧倒的に多かった。統計によれば、死者の八割以上がこういった老朽木造家屋の下敷きになったものだった。そのうえ、医師の遺体検案では、死者のほとんどが地震後10分間以内の圧死だった。つまり、いったん大地震が起きて家が潰れてしまったら、国際救助隊が来ようが自衛隊が来ようが、救える人命はごく限られてしまうのである。

 歴史に「もし」はない。しかし、学生下宿のような老朽木造家屋が、もし、もっと新しい家に建て替えられていたり、耐震の補強がされていたら、6400人を超えた阪神淡路大震災の死者は5分の1以下になったという試算もある。つまり、阪神淡路大震災では、古い家に住み続けなければならなかった人々が選択的に犠牲になったのである。

 いろいろな意味で科学が問われている時代である。阪神・淡路大震災以後、地震の科学や科学者について多くの批判が噴き出した。私たち地震学者にとっても針の筵であった。

 残念ながら、地震予知は以前に考えられたよりも、ずっと難しいことが分かってきている。この本では、地震学の最前線を書いた。しかし、地震学者の心情としては、完全な地震予知はとうてい出来ない以上、地震が来たときに被害を少なくする方策こそが肝要のように思える。その方策や備えのために、いままで分かってきた地震学の最新の知識を使ってほしい、というのが著者の願いなのである。 

この本 『地震学がよくわかる−−誰も知らない地球のドラマ』の書評や紹介や引用はこちらに出ました。
この本には載せていない関連写真(魚は地震を予知するか)

出版後に気がついた訂正(ミスプリント)
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